第3話
翌日、昼前にダンテはバイバツ組の屋敷に向かった。
「ダンテじゃねえか。」
銃を肩に掛けた門番が話しかけてきた。
「休んどけって言われなかったか?病人。」
ダンテは無言のまま門をこじ開けようとする。
「お、おい。門は俺が開けるから。」
まったく、と門番は頑丈な門を開ける。
庭を進み屋敷に入る。
組員達はダンテを見るや否や、
「やっぱり。来ると思ったよダンテ。お前の報復心は人一倍だな。」
と、分かりきっていた。
組員の一人がダンテに向かう。
「おい、ボスがお呼びだ。お前がここに立ち寄るのは、ボスにもお見通しだそうだ。」
ダンテは無言のまま、階段を上りボスの部屋へ向かった。
「いやあ、ダンテ。一週間療養なんて設けたが、お前には関係ないようだな。まあ良い。今日はそうだ丁度良い。新しいパートナーだ。」
「ボス、もう決まったんですか。」
「ああ。(小声で)厄介な奴だが………」
「聞こえてるわよ!パパ。」
扉が開くと、そこには女が立っていた。長いブロンド髪、ピンクのワンピース、指輪にネックレスにピアスに、何とも目立つ。
「………え。」
「あら、ダンテ不満でも?」
彼女の名はシャロン。十九歳。
バイバツ組のボス、ドハイの実娘。
散財家であり、少し世間知らず。
「まあ、なんだ。ダンテの新しい相棒はシャロンだ。」
「ま、待ってくださいボス!」
「話は以上だ。」
ダンテとシャロンは部屋を出た。
ダンテは細い目を見開き、俯いた。
シャロンは銃はおろか、外の世界なんか全く分からない箱入り娘。新しいパートナー、、、
「ふふっ。よろしく、ダンテ。」
「………」
「ふーん。」
シャロンはダンテを連れ外に出た。
「ダンテ、私達ってあまりお喋りした事ないじゃん。そーだ!ご飯行きましょうよ。どーせ朝ご飯も食べてないでしょ。ね、図星でしょ?ふふっ。」
「………」
そこにニヤニヤ笑うネオンが現れた。
「厄介者を押し付けられたな、ダンテ。」
シャロンはネオンを睨んだ。
「あら、ネオンじゃなーい。良いところに来たわね。車出してよ。暇でしょ〜?」
ネオンはカァ〜っと唸り、
「おい聞いたかダンテ!俺は武器運び屋だがな、俺を単にドライバーとして使えるのはお嬢だけだぜ。」
乗りなっ、とネオンは2人を車へ案内し乗せた。
車は門を抜け、国道に入る。
「いいか、シャロン。俺も暇じゃねえ。送ってはやるが帰りはなんとかしろ。」
「分かったわよ。別の人にお願いするー。」
「………皆んな仕事してるんだっての。」
車内は運転席にネオン、助手席にダンテ、後部座席にシャロン。
「相棒だってのに、隣同士で座らねえのか。折角のデートだろ。」
「いい、ネオン。察してあげてね。彼はね思春期なのよ。」
ダンテは溜息を吐き、
「じゃあネオン、お前は相棒と隣同士ドライブデートするか?」
と言うとネオンはまた唸り、
「死んでもやだね、この車には乗せねえ。」
街中のレストランに着いた。
「良いか、一年前の抗争時と同じ状況だ。緊張感はあの頃と同じ。飯食ったらさっさと帰れ。」
ネオンはそう言うと二人を下ろし、車を走らせ消えていった。
《人物紹介》
氏名 シャロン・マーフィー
年齢 19歳
身長 164㎝
職業 バイバツ組の組員
趣味 ショッピング、外食、入浴
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