第3話 魔法陣による錨草

 あの世界が消えて、急に体の感覚が戻り目が覚めた。周りの状況を把握しないとっ。

「あっ...」

「空星くんっ、よかった。急に気を失ったから、どうしようかと思ったよ。」

彼女は、少し落ち着いた様子?大抵は、僕を心配する奴なんて損をすると思うのになぁ。

「心配させてごめんね、もう大丈夫だから。日も暮れてきたし帰ろう。じゃあな。」

「うん。じゃあね。」

彼女に、手を振って僕は急いで家に向かった。ドアを開けたら、父さんがいた。

「おかえり。雨夜、執事から聞いたか?」

「はい。なぜ黙っていたのです?急に聞いて動揺しましたよ。」

疲れていたから、気持ちが顔全面に溢れてしまった。ヤベッ。いつもの、顔に戻さなければ。

「すまん。だが、執事から説明されているなら問題ないな。後、あちらの行き方は暗号を唱えて言うと着く。暗号はこの紙に書いてある。」

カサッと音を立てて僕に手渡った。内容を確認した瞬間父さんはその暗号を読んだ。

「青き宇宙よ花弁に。水と共に舞い上がれ」

部屋の床から、見たことがない魔法陣が浮かび上がった⁈薄暗い部屋が真っ白になるくらいの光で目が痛い。

 うっ...

手が壊れそうなくらいな激痛、なんだこれ?

光がだんだん失っていくに連れ、痛みが薄れていった。それと同時に、いつもの自分ではなくなったようで、今までの自分が旅立ったような感覚に陥った。

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