第9話
Yは塾を新しく作ることに決めた。光雄さんに色々と教えてもらうか、光雄さんは南塾という瀬戸で一番大きい学習塾を一人で作った人だった。光雄さんにいろいろ教えてもらったのはYの他に佐鳴の塾長や明倫ゼミナールの塾長もいる。光雄さんは様々な人に敬意を払われていた。彼の人柄だろうか彼は塾経営のノウハウは何も隠さずにみんなに教えてくれた。自分が何十年もかけて磨き上げてきた塾経営のノウハウをである。聞かれれば彼は誰が相手でも色々包み隠さず教えてくれる人だった。まさに尊敬に値する人だった。彼が自分の塾を作った頃には失敗も多かっただろう、光雄さんも誰かに色々と教えてもらったんだろうか…。
「麻美おれ自分の塾を作ることにしたよ」
「決心したの?」
「そうだよ」
「作るって言っても大変よ」
「まあ大変だろうけど先輩にいろいろ教えてもらいながらやっていこうと思う。」
「そう、私も協力するわ」
「ありがとう」
「光雄さんどうすればいいでしょう。」
「10人かな」
「何がですか?」
「10人の子供の成績を飛躍的に上げるんだ。」
「それがその後の核になる。客を追うんじゃなくて、客の方から来たいと言わせるんだ。後は勝手に集まってくる。追いかけているうちはダメだ。」
光雄さんの言おうとすることはよくわかった。とにかく2〜3人でいいから子供達の成績を目立つぐらいに上げるのが大事だということだ。
ただ問題はどうやったら子供の成績をそこまで上げられるかだ。粘り強く焦らずに子供が分かってくれるまで根気よく教えるしかない。一度わかってくれると子供は勉強が嫌いじゃなくなる。運が良ければ好きになって、自分から勉強をしたがる。まあそんなことはあまり期待しない方がいいけど。
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