第47話 樹と樹里亜
樹と樹里亜は、父達也が殺害されていると友達の美紀から聞き付け、心配で心配で居ても立っても居られない。
「真実がどうなのか、樹里亜まず…お母さんに聞いて見なよ?」
「そうね。聞いて見るわ」
そして…早速、家に帰った樹里亜は母弥生に聞いて見た。
「変な話で……ママビックリすると思うけど……パパが殺害されたって聞いたの?そういえば最近パパに有っていないし……」
その時母弥生の表情が一瞬強張り、目が泳いでいる事に気付いた樹里亜。
(ママは何か……知っているに違いない……?)
だが…樹里亜も医学部二年の一番忙しい時期に差し掛かり時間が取れない。折角樹と一緒に、美紀の言っていた現実を解き明かそうと奔走していたが、それどころではない。
樹里亜も解剖学と生理学に追われて、悠長な事は行っていられなくなって来た。それは、樹とて同じ事、最近は会う時間もままならない状態が続いている。
◆▽◆
樹里亜の家族に焦点を当てて、すっかり樹の家族の事は忘れ去られていたが……。
2018年現在、樹の両親も紆余曲折あったが、現在はどのような状態なのか?
中世の芸術家は、政治家の支援者という意味でパトロンという言葉が使われていた。衣食住が保証され、貴族のお抱え画家として肖像画を描く仕事をしつつ、その空いた時間で自分の作品を仕上げる生活していた。
世界的に有名なクロード・モネ も、パトロンであるエルネスト・オシュデとその妻アリス・オシュデの家族との同居生活を送っていた。そして…妻カミーユを1879年に亡くし、何と……パトロンの妻アリスとの関係が深まっていった。このように芸術家の裏には、大なり小なり支援者という意味のパトロンが存在する。
確かに樹の母沙耶も、父雄太の芸術の道具になって居たかもしれないが、それは世に出るための手段の一つでしかなかった。
それでも……そんな苦労が実り、父も支援者たちのお陰でやっと有名画家の仲間入りが出来て、今現在は作品制作に余念がない。
母も現在は、あの忌まわしい現状から解放され、教員と言う職務に全力で取り組んでいる。
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