第51話 樹里亜殺害を企てた犯人





 樹里亜殺害未遂の経緯だが、犯人は百合子だった。


 ある日の事だ。

 とうとう堪忍袋の緒が切れた百合子は、思いの丈を弥生にぶつけた。


「弥生どうして……どうして……分かってくれないの?何故私の好きな人を片っ端から奪うの?レディース総長ケイに引き渡した件はもう終わったでしょう?私が陽介の事あんなに好きだって言っていたのに、何で…その私の気持ちを分かっていながら、陽介に手出すのよウウウワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


「ウッフッフッフ!百合子に何が分かるって言うの?」


「そして…ゥウウウ(´;ω;`)ウゥゥシクシク、私が離婚して帰って来た時も、あなた…達也と結婚していたじゃないの。今度こそ陽介も貴理子さんと離婚したから、私の者になると思っていたのに……ゥウウウ(´;ω;`)ウゥゥ樹里亜ちゃんが、陽介の子供で2人は今尚付き合っている。一体どこまで私を苦しめれば気が住むのワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


「最初は陽介の事など知らなかったから、山城家の庭に出た時はビックリしたけど……こっちだって陽介を好きになったから仕方ないじゃないの?……それでも…もし……それでも…本当の友達だったら……百合子を裏切らなかったわ……だって……だって……百合子がどうしても許せなかったから……仕方ないじゃないの」


「それは一体どういうこと?恨みたいのはこっちよ」


「あなたには……一生分からないでしょうね?ウッフッフッフ!」


「弥生……私を散々傷つけて……その笑いは何よ?」


 

 依然はまだ陽介と綺麗な関係だったので、陽介を諦めて親の進める相手と結婚できたが、陽介と既に肉体関係が有りながら、またもや弥生に奪われてしまった心の傷は計り知れない。


 完全に陽介に溺れ狂ってしまった百合子は、弥生が相手では奪い返す事は到底無理、頭に血が上り、あの元レディース総長で現在ヤクザの白川組の親分の妻、ケイ姐さんに樹里亜殺害を依頼した。


 離婚した時に慰謝料をタンマリ貰っていた百合子は、散々お金を散財したが、流石に子供まで殺めた事への、自責の念に駆られて夜も眠れない日々が続いている。そして……この残酷な出来事は墓場まで持って行くつもりだ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る