第50話 達也殺害の主犯は?
2016年異常だった暑さも、随分弱まってきた夏の終わり。
2007年8月から弥生は、樹里亜と里に帰ったり達也の元に戻ったりの繰り返し。
それでも、あんなきちがいじみた達也と高齢の義母咲子を一緒に置いて置けば、何を仕出かすか分からない。
陽介は暇を見つけては様子伺いに出掛けている。
そしてある日等々、とんでもない実態を目の当たりにした。
現在18歳の医大生樹里亜なのに、いつの間にか13歳に若返った樹里亜と、反対に20代中盤位の老けてガリガリに瘦せて今にも死にそうな、クロ―ン人間樹里亜が、民家で普通に存在していた。
(これは大変だ!ご近所さんに見つかったら大変な事になる)
「一体あの家では何が起こっているの!」とびっくりして大騒動になる。
達也は父勇を失って間無いのに、弥生と里に帰ったままの樹里亜にも会えず、あまりにも寂しがる母の為にと思い、クロ―ン人間樹里亜【少女C・Ⅾ】を家に連れて来ていたが、人に知られるのも時間の問題。今まで気付かれなかったのが、おかしいくらい。
ひょっとして家政婦さんが、うっかり口を滑らせてしまう事だってある。
クロ―ン人間の話なんて誰だって興味津々。知りたいに決まっている。
(クロ―ン人間が現実世界の、ましてや日本の自分達の直ぐ傍に居るなんて?それも何体も同じ女の子ばかりを製造して居るなど、とんでもない話だ。もし気付かれてしまったら日本では禁止されているクロ―ン人間製造。達也は違法行為と見なされ警察に捕まるだろう。そんな……とんでもない行為をする医者が、院長を務める病院などワイドショ―ンの格好のネタ。好奇の目に晒され廃業に追い込まれる可能性も、十分に考えられる。達也さえ死ねばこの大病院は暫くは俺が引き継ぐことになる。第一継承者は樹里亜となっていたが、達也亡き後は俺が実質上の、この病院の権力者だ。まだ医大生樹里亜に何が出来る?それに俺は愛する弥生をやっと手にする事が出来る。達也が死んだらこの病院は俺の者だ!そして達也が死ねば、土地家屋全てが弥生と樹里亜のものになる。それは当然俺のものでもある。あの日達也の後を付けて郊外の人里離れた別荘で見た、あの無国籍者や過去を忘れた行方不明者達を利用して、達也を殺害しよう。こういう類の輩は足が付かないからなあ。それには法外なお金と自由を与えてやれば良い。殺害には法外なお金を握らせよう。達也に衣食住を保障されて、昔の乞食の頃とは比べ物にならない豊かな生活を送っているが?反面とんでもない人体実験まがいな事もさせられている。奴らは飴と鞭で雁字搦めにされて逃げ場がない。そこで「人並みに月々給料を払います。アパ-トも手配します。病院で警備員や清掃員として雇ってあげます。。あんなキチガイじみた男に付いていたら、実験材料にされていつ殺されるかもしれない。その前にあんな厄介者殺した方があなた達の為ですよ!」と話を持ちかけて達也を殺害して貰おう。俺が勤務している時間帯を狙って殺害して貰えば、万が一殺害を嗅ぎつけられても、これで俺のアリバイが立証される)
主犯陽介の指示で達也の従業員2人に、達也は紐で絞殺された挙句、病院に備蓄してあった水酸化ナトリウムなどで溶かし、海に流された。
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