第18話 昏睡状態の樹里亜が……
何とも目出度い事に、両方の家族に子宝を授かり未来に限りない光明が差し始めた。
👶
貴理子はベイビー誕生に、胸を躍らせて今まさに幸せの絶頂だ。
弥生の手助けもあってか?晴れて貴理子は、あと1ヶ月チョットで退院の日を迎える事となった。
そして…やっと家に帰って来た貴理子は、もう直ぐ子供も生まれるこんな時期に、まさか2人が男女の関係になっているなど知る由もなかった。
(弥生さんも清廉潔白な心の優しい女性。そんな優しい人が家庭を壊すような事は絶対にしないだろう。又あんなに子供好きな陽介の事、もう子供さえ出来れば弥生さんの事など、ましてや兄嫁に手出しなど出来ないだろう?もう絶対に安心!)そう思って疑いもしなかった。
◆▽◆
それから半年後。
一方の貴理子は6月と言うのに、もう夏の便りが届きそうな蒸し暑い日に無事男の子を出産した。陽介も目を細めて我が子の誕生を喜んでいる。
(これでもう安心子供さえいれば安心。子はかすがいと言うではないか?これで陽介は、私のもの私から絶対離れられない!)貴理子には確信に似た、自信が沸々と沸き上がってくるのだった。
更に……1998年9月中旬達也と弥生の間に、待望の赤ちゃん樹里亜誕生。
***************
2007年夏の事だ。
ヒマワリが庭に咲き誇り青い空には入道雲が・。*
そんな夏真っ盛りの8月のある豪邸では、まだ昏睡状態に陥っている筈の9歳の樹里亜ちゃんが、今まさにベッドから起き上がり、人が丁度いない事を良い事に庭に飛び出た。
昏睡状態に陥って、まだ2ヶ月も経って居ないと言うのに、もう元の健康な樹里亜に戻っているではないか?
エエエエエエ!一体どういう事???
「樹里亜こっちにオイデ~!」優しそうな男性の声が?
一体誰なのか………?
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