第16話 愛の復活?
陽介と貴理子夫婦に、1992年某月待望の妊娠が判明。夫婦生活が万全とは言えない2人だが……?
待望のベイビーに、一時の平穏が訪れている。
だが、なんという事を……そんな折、貴理子が切迫流産で入院してしまった。
『切迫流産とは、流産が差し迫った状態をいい、少量の出血や腹部の張り・痛みなど症状はありますが、まだ正常妊娠への回復が可能な状態』
義弟の嫁が危険な状態。それを知った弥生は、遠巻きながら心配を隠せない。
結婚してもう4年も経つのに、まだ何の兆候も見られない弥生に、執拗にオメデタを催促する姑に不満を募らせていた矢先の事。
(私と同じ二の舞だけは踏ませたくない)今度はその矛先が陽介夫婦にまで及ぶと思い、手をこまねいている。と言うのも?達也のやきもち、嫉妬が原因で手伝いに行けないのだ。
義弟の嫁が危険な状態と聞き付け、直ぐに飛んで行ってお手伝いしたいのは山々なのだが、うっかり手伝いにでも行こうものなら、達也からのとんだしっぺ返しを食らう可能性だってある。
それでも…舅勇と姑咲子の強い勧めで、病院に頻繫に顔を出して、貴理子のお世話係として洗濯物や必需品の調達に奔走している弥生。
また陽介の身の回りの世話や食事の世話も舅の鶴の一声で、面倒を見る羽目になった。その為、陽介夫婦のマンションにも頻繫に顔を出す様になっている。
やっと授かった孫に……特に舅勇の強い要望で、陽介一家を支えている弥生。
舅、姑にしてみれば、もし?達也夫婦に子供が出来なければ大変な事だ。最悪の場合養子の陽介の子供に跡を継がせるしか手立てはない。その為にも何とか達也と弥生に跡継ぎを産んで欲しいと、願っている姑咲子。
姑咲子にしてみれば(達也に何としても跡継ぎを!)と願っているが?出来ないので弥生に対しての風当たりがキツイ!(実子である達也にどんな事をしても子供を!陽介のような養子に絶対跡を継がせたくない!)
それでも…折角妊娠した大切な赤ちゃん、夫の達也も父勇の鶴の一声に、一切口出しは出来ない。
◆▽◆
弥生は甲斐甲斐しく陽介の食事の準備に、余念がない。
「陽介も大変ね!貴理子さん妊娠2回目でしょう?達也と貴理子さんが言ってたわ。1回目も流産だったって?」
「それ何の話だよ?貴理子が妊娠したのは今回が初めての1回きりだよ!」
「エエエエ!だって~?私は陽介が、私と言うものが有りながら貴理子さんと肉体関係を結んだ挙句、妊娠までしたと聞いて陽介から身を引いたのよ。じゃ~あの時の妊娠は嘘だったの~?その後達也にも聞いたのよ。すると本当だよ!貴理子さんが妊娠したって言うからスッゴ~イショックを受けたのよ。って事は達也と貴理子さん2人で口裏を合わせていたって事~?最低!私はすっかり達也の言う通り、やっぱりとんだプレイボーイと思い、陽介が信じられなくなったのよ。それで苦しんだ挙句、やけになって達也と結婚したのよ、バカな私」
「俺は弥生が俺というものが有りながら、俺が研修期間で必死に頑張っているのに、あんなに待っていると言ってくれたのに、辛抱も出来なくて寄りによって兄貴と寝るなんて許せないと、弥生を恨んだ事は事実だよ。そんな時に酒に逃げて自暴自棄になっていた俺を、親身に相談に乗ってくれたのが貴理子なんだ。そうこうしている内に酔いつぶれて、いつの間にか貴理子の家に泊まってしまっていて……そんな関係になったんだ。俺は貴理子をそれまで女性として見た事が、一度も無かったんだ。だから恥も外聞も捨てて、自分をさらけ出すことが出来たんだ。抱いておきながらそんな事を言うなんて、男のエゴと言われればそれまでだが、今さら遅いが俺は弥生を心から愛していた」
「私と達也の抱き合った写真は後で分かった事だけど……達也が私に睡眠薬の入った飲み物を飲ませたのが原因で、私が眠っている時に撮られてた写真なのよ。いかにも抱き合っているような写真を……本当に酷い!それに陽介が昏睡状態になったんだって、どうも達也のせいらしいのよ~。睡眠薬と焼酎を混ぜて飲ませたらしいの?美智代さんとお父様が話しているのを聞いてしまったの。私も最近達也の異常行動に困っているの……」
いつも片隅のどこかにあった真実の愛を、偽りだったと思い目を背ける事でやっと生きて来れた気がする。
けれど全てを知った陽介と弥生はタガが外れたように、何故一生一度の人生なのに世間の目を欺いて、偽りの人生を生きて行かねばならないのか?
全てを失っても愛さえあれば何も怖いものなどない。
「弥生俺は今でも弥生が⋆◍。*✧💛。✧♡」抱き寄せてそしてベッドに* * *
「ダメよ~*⋆⋆。✧♡。💛✧♡こんな事~ああ~~💋あああ~愛しているわ~⋆。⋆*。」4人はどうなって行くのか?
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