第15話 新たな関係



 1986年から1991年日本中がバブル景気に沸いた時代。

 ワンレンボディコン、肩パット、太眉といったバブル時代のOLファッション


 流行りの「アッシー・メッシー・ミツグくん」

 当時の若者と言えばモテ車。

 トヨタ「セリカ」ホンダ「プレリュード」日産「シルビア」日産「スカイラインGT-R」‥


 若者たちは、こぞって愛車でワンレンボディコン女性のお出迎え。


 バブル時代のクリスマスの3種の神器は、高級ホテル(赤プリ)、ティファニーのオープンハートネックレス、フランス料理


 バブル時代のクリスマスの定番ソングは山下達郎の『クリスマスイブ』✶⋆✰。・♥。✧。♪


 ワムの『ラスト・クリスマス Last Christmas☆☆.。.:*・゚*:.。. 』



 そんな一瞬の泡.。🅾○.。o○を永遠と信じて疑わなかった時代。


 ワンレン・ボディコンの女性が集まり「お立ち台」でジュリ扇(羽付き扇子)を振り回して踊る光景が一世を風靡した。ジュリアナ東京はバブル期の象徴とされているが、ジュリアナ東京が営業していた1991年~1994年は、実際にはバブル崩壊期にあたる。



 そんなバブル真っ盛りの山城家もご多分に漏れず、やはりあぶく銭でハワイに別荘を購入していた。1990年8月お盆休みで山城家一行の姿はハワイにある。


 実は陽介と貴理子はあのバブル時代にはそぐわない、2人だけの結婚式をスペインの教会でひっそりと挙げていた。


 陽介も貴理子もまだ心の整理が付いていない。


(こんな気持ちで弥生に会えば、また心が乱れるに決まっている)


 それでも陽介の兄嫁となった弥生と陽介は、会わない訳にはいかない。

 祖父の哲也は2年前87歳で他界。


 現院長の父勇は4人の恋模様など知る由もない。鶴の一声で招集された。


 陽介と弥生は久しぶりに顔を合わせた。

 陽介は今でも弥生を忘れる事が出来ない。


(なんと未練がましい!男の腐ったような?)と、蔑まされることは重々承知している。


 それでも断ち切れないものは仕方がない。それだけ深く愛していたという事だ。


 別荘に滞在中の昼食後、時間が空いたので2人は自然と陽介の部屋に向かった。


 弥生もあんな別れ方をしたので、積もる話も山ほどあるので一緒に部屋で話し合った。


「弥生幸せかい」


「まあ平凡な毎日よ。陽介は?」


「俺も普通の毎日さ」


「あああ~良かった。それならいいのよ。心配していたのよ?」


「それでも俺は今でも弥生が……」


「ダメよ~!そんな事」


 そして陽介はそっと弥生の肩を抱きしめた。

 どれくらい経ったのだろうか……ドアの開く音が……。


「アッにっ義兄さんだ!」


 

 ▲▽▲▽▲▽


 ある日の達也家。


 達也は今、鬼の形相で弥生に暴力を振るい、罵倒している。


「弥生お前は俺という夫が有りながら陽介と乳くり合いやがって!アァ~どうせ陽介は俺と違ってハンサムで優秀さ。そんなに陽介が良いんだったら陽介の所に行けばいいじゃないか。この淫乱女!」


「やっ止めて下さい。そんなんじゃ無いんです!」


「何が違うだ?2人抱き合っていたじゃないか、アァ~ン?あんな所見せ付けられて違うだと……ちゃんちゃらおかしい!」


 興奮状態の達也は尚も弥生の髪を掴み振り回す。


「ヤメテ————!おっお願い!」弥生は只々泣き続けている。



 4人は益々入り乱れて……。

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