― ケルティック・クロス ―

 突然ですが、今、ガ――ン となっています。


 何故かというと、作中の重大なミスに気付いてしまったからです。


   嗚呼どうしよう。


 ココだけの話です。

 ココまで読んでくださった皆様にだけ、こっそり告白します。


 前回の投稿で、「丘に草生えてるのww―」とか言っていたわけですが、笑っている場合ではなかったのです。思い出しました。神界裁判は、ケリドウェンがいなくなって一年目となる節目に行われたことを。つまりはグウィオンがになって食われた季節だということを。


 麦です。秋です。痛恨のミスです。


 え、今、設定冬になってるけど、どうするの……? 丸ごと変えるの……? 嘘でしょ……そんなの恐ろしい。


『嗚呼、神様、この愚かなる作者に、


    厳しい冬にふっくら黄金の穂を実らせる麦をください』


 もう、固く手を組み合わせてケルティック・クロスに祈るしかないです。



 ということで(泣)


 今回はアイルランドの十字架、ケルティック・クロスについてご紹介いたします。


= 本文 =

 祭壇に十字架――この国の十字架は、十字部分に円環が交差するケルティック・クロス。それを背負うようにして身分相応の大椅子に鎮座する神がいる。神々を束ねるこの国の最高神ダグダ。強烈な白光を浴び、生じた陰影によって、その正確な顔貌がんぼうは見ることができない。

――――――


 十字架には代表的なものとして「ギリシャ十字」と「ラテン十字」があるそうですね。何が違うかというと、まず見た目が違います。ギリシャ十字は横木と縦木が同じ長さで病院を象徴するアレ。ラテン十字は縦長の十字で墓地に立てるアレです。


 ケルティック・クロスは、ラテン十字(縦長)に円環を重ねた形状をしており、本作はアイルランド最大の石造十字架、モナスターボイスの『ムルダグの十字架』をイメージしています。その高さ何と6.5m。


 モナスターボイス 6.5m 画像 ← コピー検索用


 ダブリンから北へ35kmにあるハイステータスな修道院が擁するこの十字架は、両面に聖書と合致する場面の彫刻が施され、クロス部分にはキリストの『磔刑』が、その下の柱部分には『使徒への伝道』『トマスの不信』『キリストの捕縛』という三つのテーマが続き、柱の根元には何故か猫が二匹います。何故猫?(モナスターボイス 猫 何故 で検索したけど出てきませんでした)


 円環の左側面を見上げると、人頭が中央に三つ並び、蛇と三つ編みを成す異様な模様が彫られています。ケルト人は首切り族であったとか。どうやら不滅の魂が頭部に宿っており人頭を所有することで霊と交感できるという考えがあったようです。


 娘は降霊に頭骨は使いません。もし仮にそんなことがあって、クロークの下に頭骨ぶらさげていたら、ライアンとセージがドン引きそうですね。


主な参考文献

『ケルトの解剖図鑑』原聖著

『ケルト/装飾的思考』鶴岡真弓著


※季節に関する矛盾点は『―ダグダ神と秘宝―』の回で奇跡的に解決いたしました。大変ご心配おかけいたしました。

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