― 舞台 ―

 本作の舞台としてイメージしたのは妖精の国アイルランド。アイルランドにはモハーの断崖という切り立った崖があるのです。3億年前に地形が出来上がったそうですが、筆舌に尽くしがたい壮大な景色です。


 CREA Magnificent View #1372 モハーの断崖(アイルランド)

 https://crea.bunshun.jp/articles/-/14840


 その他、スコットランドのネイスト・ポイントの断崖も参考にしました。経路検索によると、両者は自転車で49時間、徒歩で7日の距離があるそうです(500kmくらい) ケリドウェンの城はこの先端にあるイメージで書きました。


 スコットランド ネイスト・ポイント 画像  ←コピー検索用


 =  本文中の描写  =

大釜の女神ケリドウェンの城は、紺碧の海を臨む丘陵地帯にあった。城周辺は、春は草花に覆われ、冬には雪に覆われて美しい。氷河によって削られた断崖絶壁が近く、そこが即ち天と地の境。

―――――


 正に天と地の境。こんなところに身を投げるなんて娘は勇者です。彼女が鍵の陣を開いたのは初めてなので、成功しなかったらここでジ・エンド。でもそこは叡智の魔法を受けた者。わたし、失敗しないので。



 ちなみに、三人が森抜けした時(第18話『契約満了』)投稿初期は丘に草が生えている設定でしたが、氷河が浮かぶ海があるし、そもそも最初に「冬には雪に覆われて美しい」って書いているのに草生えてるのwwだなと気付いて、あとで銀世界に変えたりしています。すみません。


=  本文中の描写  =

 今、彼らは森を抜けを果たし、新雪に三つの足跡を残しながら丘陵地帯を歩いている。明け方の吹雪は治まった。今は太陽が鋭角に差し込み、降り積もった雪の結晶に反射する。潮風が頬を切るように冷たかった。

―――――


 この崖を落ちる間に、娘の額にケリドウェンの血筋を表す紋様が光るシーンがあります。これはタリエシンの『輝く額』から来たもので、額が光るのってちょっと昭和?と思いながらも、娘の正体は実はタリエシンだよー(グウィオンの生まれ変わりだよー)と示唆するために採用しました。


 もし『輝く額』の縛りがなければ、もっとセクシーな場所にしたいですね。例えば首筋とか耳の後ろなんてのもいいですね。

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