第24話 成すべきことを
森抜けを試みる間、霊感によってクレイルィ様と何度か交霊して城の状況を聞かせてもらった。そして三度目の交信で、新たに物事が動き出したことを知らされた。
ケリドウェンが帰城し、不在の間に沸き起こったいくつかの嫌疑から、その神たる資格を巡って神界審判が行われることになったのだという。
係る者にアヴァグドゥが名を上げたことから、これが彼による謀反であるのが明らかだった。アヴァグドゥは自分の母親に神堕ちの烙印を押そうとしているのだ。
真実の糸は捻れた。モルダの投獄で捻じれ、謀反で更に捻じれ、このまま主人に神堕ちの審判が下されようものなら、偽りが真実として玉を結んでしまう。
それを解けるのはわたしだけ。
真実を知り、それを示せるのは、わたしだけだ――。
士気を新たに、森抜けを果たそうとするわたしの前に森の魔物が依然として立ちはだかった。何度立ち向かっても数で負けてしまう。魔薬は三つの叡智を授けたけれど、戦力と不死の体は与えてくれなかった。怪我をすれば血が流れ、傷口は勝手には治らない。
手詰まりなところに出会った二人の仲間。わたしの弱点を補い心を支えてくれた戦友セージとライアン。二人のお陰でここまで来れた。二人ならきっと、一緒に来てと言えば来てくれただろう。けれど、大切な二人を醜い身内争いに巻き込みたくはない。
別れはいつの時も辛いけれど、互いに健闘を祈り、わたしは再び一人になった。
そして、わたしはわたしに成すべきことを――
神々が集う神界審判の場で、成すべきことを成し遂げる――!
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