第11話 休日の前夜

あの日以来、

ダンナからは求めてこなくなった。

「来週からヒマになりそうだ。

また新しいお客さん探さないとな」

またはなちゃんと会うんだろうか?

不安だった。

「明日、休みになった」

この言葉が

「明日、はなちゃんに会う」

に聞こえた。


夜、私から求めてみた。

キスには応じたが、

服を脱ぐまでには至らなかった。

はぐらかされたのだ。

恥ずかしかった。

ダンナは背中を向けて寝た。


明日、私の体調が悪くならないかな?

明日、仕事を休んで後をつけてやろうか?


寝れなかった。

どうしたらいいのかわからなかった。


少し多めに朝ごはんを作った。

晩ごはんは好物を作った。

少し多めに。

ダンナは絶対にご飯を残さない。


結局、私にできたのは

はなちゃんのごはんを

食べさせない事

ぐらいだった。



はなちゃんへ

あなたの笑顔は私の涙で成り立っている。

忘れないで。


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