暗雲の中に、希望があると信じて、それで・・・。
「は?・・・学校でやるの?、これを?」
脚力トレーニングは継続したまま、一連の技を通しで行っている
少し上ずれた声が、スタジオに反響して徐々に収まる。
「そのためだよ。今までも、全部」
数時間前まで怪しげな男性と話していたことなど、一欠けらも覚えていなかった
「あー・・・それで新規の意見が欲しかったわけか・・・」
「なんだと思ってたんだ?」
「いや、単純に登録者を増やそうとしてるのかと・・・」
そこから鉄アレイを置いて、体幹に移る。
床ばかり見ているのも退屈なので、ちらりとスタジオの端で椅子に腰かける
「止めても無駄だからな・・・」
なんとなく何を言われるのか想像できた
けれど
「いや、別にやる分にはあんたの勝手だけどさ・・・」
それでも口の中に言い切れないものを残しており、彼女自身でも納得が出来ていないようだった。
「何だよ~・・・?」
そんな中途半端な反応をされるものだから
すると
「なんていうの?・・・学校の雰囲気ってあるじゃん」
「ここで言うのは生徒の話ね」と付け加えて言葉を続ける
「学校によってそれは違うわけじゃん。陽キャオーラできゃぴきゃぴしてるのか、陰キャオーラでじめじめしてるのか・・・」
両手の人差し指をあげて、右手はブイサインで活気に動いている。対する左手は第一関節で曲がって項垂れていた。
「・・・・・そんなの今まで覆してきた」
散々に毒も吐かれたし、いわれのない誹謗中傷は受けて来た。
その度に根気強く踏みとどまり、必死に伝えて来た。
その末に手に入れたのが今の地位だ。
ならば今回も、もう一度それをやればいい。
当初は右も左もわからない青二才だったが、今は違う。
技術も磨いてきた。知識も身に付けた。十分だと思っても上を目指した。もうこれ以上はないという段階を、何度も超えてきた。
「まあ、時代を信じるか・・・。昔みたいに、そこまで当たりが強いとは思えないし。じゃあ、頑張んな。Haru君」
そうして、
それでも、彼はここで勝負を決めるつもりだ。
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※
次回「変える、変わる、変えられる。」
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