瞳を見た「示す者」、歌を聞いた「守る者」
「
「そうですか、ありがとうございました」
「いいよ、後輩のお願いくらい聞くから」
件の食堂で、声をかけてきた
だが、教室に彼女の姿はなかった。
仕方がないのでそのまま帰ろうと、来た道を戻っていた
「さっきの子、だれ?」
教室に差し掛かった頃に、開いた扉の先から、先程まで話していた女生徒の声が聞えてきた。
「わかんない、けれど
「どうせ追っかけの子とかでしょ。いつものことだね」
彼女たちは
でもそれはそれで都合が良かったので、そのままにしてもう一度だけ彼女に話を聞こうと思った。
「あの子、
その一言で、教室がしんと静まり返った。
まるでチャンネルを切り替えたように、その場が一変したのだ。
「え?うそ・・・。あの子が?」
そうして徐々に、教室がざわつきだした。
最初は小さな火種であったが、それが少しずつ周りに伝播し、ひとつの大きな炎となった。
「それって・・・めちゃくちゃ危なくない?」
「
「・・・関係がないわけないよね?」
「わからない・・・でもただの追っかけていうのも考えにくい」
強気に確認をとった、針のような声をした活発な女子生徒たちの声が、
その女子生徒たちの発言に、情報の提供者である者は首を縦に振った。
「やだ、怖い。わたし、どうなっちゃうの・・・」
「大丈夫だって!わたしたちも事情はちゃんと知ってるから、守ってあげるって」
泣き出した彼女を抱きかかえ、歯噛みした彼女はクラスの全員に告げる。
「あの子が来たら、無視しよう。絶対に話しちゃダメ、危険すぎる」
すべてを聞いた
しかし、大きな収穫であった。それに大方の事情も理解した。
(きっと全員、俺と水樹みたいに、勘違いが重なって、
廊下を走る
状況は最悪の一言だった。だけれど、やることが決まっただけ、前進である。
(俺が、しっかりと示さないと・・・)
◇ ◇ ◇
「
「ああ、
理事長より提供された一室で、
彼は
そのために、
「ありがとう、助かったよ」
「こっちの方でも監視しておく、もう繰り返すわけにはいかないからな・・・」
「ああ、頼んだよ」
そうして出て行った男子生徒、室内に残った
(ひと段落してから、なんて悠長なこと言ってられないな・・・)
(なんで
柔道部の休みの日に、何度も
なら顔ぐらいは合わせているはずだが・・・。
(やはり、早急に手を打つべきか)
いつこのかけ違いが
であればその前に繋がりを断たなければ・・・。
本当なら意識の全てをそこに注ぎたかったが、どこからどう崩されるか・・・。
(俺が
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※
次回「胸を張って言えるモノ」
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