運命よ、死に給え
敗走 だ。 完全なる 敗走 である。
学内祭から翌日を迎えた
彼が見ているのはバーの大画面、そこから映し出される映像を直視している。
それは
「焦ったね。仕掛けが早すぎる」
場面は
映像は最後方から撮られたものだが、ステージでは大きな光が灯っていた。
映像から微かに短く小さな歓声が聞こえたが、すぐにざわつきに掻き消えた。
「あの空気をどうにかしたかったんだよ・・・」
「それでも悪手だったよ。そのせいで最後が地味になってる」
あまりの正論に、
「正直、甘く見ていた。
せめてあともう一工夫を加えていれば、どうにかできたかもしれなかったのに。
しかし、後悔ばかりしても仕方がないので、これを礎にして打開策を施すしかない。
「学園祭まで時間が無い。もう一度、演出を見直す。
あと一週間、練り直して治せるところは全部を治す。道具だけの問題じゃない、自身にもまだ足りない部分がある。
画面を消してスタジオに向かう
「学園祭のノリで受け入れられないなら、もうどうしようもないと思うよ?」
カウンターに座る
「結果が得られないかもしれない」
なぜなら彼は壇上でそれを見たのだ。
けれど・・・・。
「でもやらなければこのままだ。それだけは絶対だ」
少しでも認識が変わってくれるのなら、そこには価値がある。
「負け戦だと思うんだけどね~」
否定的な言葉を吐きながらも、
◇ ◇ ◇
一夜明けた学園で、
それでも彼の頭の中では、教師の声も雑音で、文化祭の構成立案でいっぱいだった。
それはお昼時を迎えた今でも同じだった。
「
考えていたところで、クラスメイトが話しかけて来た。
「どうしたの?」と聞くと、彼女は扉を指さして、
「
彼女の指の先には、それは大層、顔の良い長身の男子生徒がいた。
その生徒の登場に、クラスの女子生徒が黄色い歓声をあげる。
◇ ◇ ◇
次の瞬間、
襲い来る浮遊感と、肢体に感じる遠心力も束の間で、
「人の好みにどうこう言う気はねえよ・・・」
「そんなの勝手にやってればいい。俺は俺だ。・・・・けどさ」
苦痛の呻く
「お前だけは絶対に許せねえ」
「お前がいなければ、
これが運命なら、死んでしまえばいいのに・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※
~~ 終着を彩る第Ⅲ章へ 星よ、赫赫と弾けよ ~~
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