第5話
森の木々は高木が多く、枝で街灯を
樹木は密生して生えて
半径一〇〇
街灯が
年若い男は大男を見た。男は首を振って肩を
街灯を四つ通過した所で
音が大きくなり不意に
人なのか獣なのか
周囲には
それから三つ街灯を過ぎると、工場に辿り着いた。天井が抜けて居て、工場内には照明が点いて居た。大きさや周囲の状況から考えると、明らかに出発する前
後ろを振返った。街灯が
途中で立ち
森を抜ける。
「
「道を間違えて戻って来て
「
「ほれ、あれだろ? あの森ん中の街灯ってよ、随分と複雑に折れ曲ってたしよ、
問われた女は
「
「それは……あれじゃねぇの? 電球が切れて居たとか何かそんな感じの……」
「無かったんでしょ?」と
「二周目に草原で
「完全に元の場所に戻って
「
「勘か?」
「違うさ。あたしの考え。あたしの勘は
「で、
「ああ、収集しようにも
「よぉ、今は
「
三人は
工場内の
工場は以前と全く同じ姿をして居た。何も
「音」と大男が言った。
「森ん中とか森出た後の草原で唐突に
「知るか。僕も何度も調べて見ようとしたが叶わなかった。音が
「確認するんだがよぉ、あんたが調べたのは音が
年若い男は大男の目を
「音が
「仕方無ぇだろ? 俺だって――ああ
大男の瞳には強い決意が漲って居た。
「
「別に構うまい。
「ふふっ、開き直ると強いもんだねぇ……
「
「おいおい、俺としちゃ、余りにとんでも無い事が起きるのは
「腹を据えたんじゃ無かったのか? ありゃ嘘か? 言って置くが、今更中止は無しだぞ。
「へへ、そりゃこっちの台詞だぜ。俺じゃ
「
「
「戦術的撤退の
「済まん。
「街灯を二つ過ぎたら例の場所だから始めて置いた方が
「出来る範囲内で善処する」と年若い男は答えた。
一つ目の街灯を過ぎる。年若い男は周囲の情報を探索し始める。歩きながらだと
加えて周りは森だらけで生物が全く居ない。何か動いて居る物が有れば
二つ目の街灯を過ぎる。背後で街灯の存在が消失するかと思われたが何故か消えずに残った。
街灯を過ぎてから一〇
「一つ目の街灯を過ぎた時点で情報の取得を開始したのが不味かったのか? それとも喋りながら
「あの街灯、消えてねぇんだな。情報として捉えると消えないって事か。
「分んないさ。音を立てずに
樹木に
「来ないな……
「喋ってたってのも原因かも知れないぜ。あれで
「相手が言語を解せるとは限るまい。恐らくだが街灯を残して
「待った!」と
突然何だと訊こうとする男を制して、女は自分の耳を示した。幽かだが音が
居た。人間だった。正確な年齢は取得出来ないが、幼い。女の子だった。街灯とは別方向。現在地からの距離は十四
少女は静かに、ゆっくりと
距離は一〇
残り四
少女の姿は木に阻まれて視認出来ないが害意は持って居ない様に思えた。と云うより、相手が幼い少女である
子供だ、とだけ言って、年若い男は少女の居る場所へと足を運ぼうとした。大男が肩を
歩き
大木を二本過ぎた所で、
少女が目を閉じて
「だぁれ?」と少女は言った。
「
食べないが……と答えると、美味しいのに、と少し不満そうな声で音を立ててばりばりと菓子を口に含んだ。食べ終えると少女は鞄から水筒を取り出して飲んだ。
「だぁれ?」と少女はもう一度訊いた。
「こんな所でこんな時間に何を
「いや、あのな嬢ちゃん、
「捜しに来たの。居なくなっちゃったから。私のペット。見なかった?」
「いや
大男は言葉を切って年若い男を
「見ては居ないけど捜せるかも知れない」と年若い男は言った。
「で、一つ訊きたいのだが、君は
「うん、
「
「君は僕達が何度も
「
「実はお姉さん達は迷っちゃってねぇ……
「本当?
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