第4話
大男の視線の先を見ると子供が立って居た。
恐らく、と
いや、自分の能力を信頼するならあの場所には誰も立って居ない筈なのだ。あそこは無人であり、そして何も無い空間の筈なのだ。
「実はな、あんたが姐さんと話し始めてから
「
「あん……? 普通の
「ああ、
「と云う事は幻覚じゃない
「……
「はは、そのまんまの意味だよ。僕の能力に
「でも実際に立ってるぜ? んでじっとこっちを見てるんだぜ、
「嘘を吐いて居る……
「どうした?
「言っただろ? 生憎とあたしは普通の人間でねぇ……ああ云う
「そりゃ無いぜ姐さん。俺だってあんなやばそうなのの相手は――っておい!」
年若い男はゆっくりと少年に
少年は
「
「
年若い男は一歩一歩地面を
立ち
四
三
だが触れる事さえ出来れば――
二
一
もう一歩、踏み出した。
年若い男は最初、
黙って居ると、「君達はここに来るのは何度目なんだい?」と少年は
年若い男は答えず「君は……何だ?」と返した。少年が顔を挙げた。
「ふぅん、
あれだけ
年若い男は振り返って大男と
「で? 結局あいつは何だったんだ? 冷やかしか?」
「何度目とか何とか言って居たねぇ……ありゃ一体どう
「僕に訊かれても答えようが無い。
「いや、そいつぁ言われんでも
「
年若い男は
「
「
「……これ以上どんな
そう言って大男を見ると、ぎょっとした表情を浮べて
「いやいやいや、まぁまぁまぁ落ち着けって。あれだよ、あれ。こう云う時はだな、冷静に
「
「ああ、
「いやあの……待って
「随分と嫌われて
突然少年の声が響いた。
「僕の姿を探そうとしても無意味だよ。姿は今そっちには無いから。ああ心配しなくても
声は唐突に
人の声がせず、動物が草を踏み締める音も虫の声も風の音さえも
年若い男は強いて音を出す様に心掛けた。
「
「『
「僕は
「課題って
「有り得ない話じゃないだろう? 可能性としては有り得る。現にあの少年も誰かと組んで置けば好かったと言って
「そりゃ無いさ」と
「あたしの勘が
ほんの少し考える素振りを見せてから年若い男は言った。
「ならば、
「さてね? 本当の所はあたしにも
「あ、
「多分、冗談じゃないと思うぞ」と年若い男は言った。
「あの少年の言ってた『
「ふふっ、
「さぁね。僕としては、単なる試験である可能性も
「基本的には、街灯を道なりに進むしか無いよ。
「お
「
「そんな事をした所で意味は無い。
大男は少し
アスファルトで出来た道は
光は弱く、
自然の光たる月光が無いが
街灯と街灯の距離は
街灯と街灯の間は
進めば進む程に
分れ道に来る
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