第2話
否、何もと云うより公園に
公園の周囲の情報を取得する。該当する建物は半径五〇〇
年若い男は自分の周囲に目を向けた。暗闇で何も見えない。
「これはお前の仕業なのか」
年若い男の声は思いの
「あたしじゃ無いさ。訊いて御覧よ。横に
年若い男は大男に向き直った。相手は動きだけで察したらしく慎重に言葉を重ねた。
「いや……正直に言って、俺には何が何だか、
年若い男は答えず
「笑って居ないで答えて貰いたいんだが」
「いやいや、別にあたしだって意地悪で答えないんじゃないのさ。
「
「さぁねぇ? あたしに訊かれてもねぇ。収集と分析はあんたの十八番じゃないのかい?」
「
「ふふっ、
「場所さえ
大男の問掛けに
「こう見えてもあたしは結構特殊な趣味の持ち主なのさ。意外かい?」
「いや……その」と大男は言葉を濁した。
「それで僕の質問を誤魔化した
「怖い怖い。あたしの勘は恐ろしい事をあたしに教えて
「作法に反した真似をされたくないなら話を
「おいおい、仲間割れは
「
「妙に癪に障る言い様だな……まあ
「おいおい、置いて行かれるのは困るぜ。俺達も――」
大男の言葉が
「ふふっ、気を附けないと危ないよ」と
「当然だろう? あたしらは
「出来る事ならここに置いて行きたい位なんだがな……」
「今の台詞は聞かなかった事にして上げるから、さっさと行く事だね」
「お前ならば別に僕の案内が無くても自慢の『勘』でどうにか出来るんじゃないか?」
「なぁ、頼むから早く
何か子供の頃に闇に関する何らかの出来事があったのかどうかまでは
「
「あんまり急がないで
「着いたぞ。お待ち兼ねの
「
「
「全く……でかい図体をして
「
「勘か?」
「勘さ。不満かい?」
「別に」
年若い男が地底湖に
「あたしに接触して居たにも
歩みを止めた男は、
巨大な地底湖では大男がその大きさに
「子供の様だな。先程の暗闇の中での反応と云い、もう少しそのなりに相応しい反応をしたらどうだ。ギャップが激し過ぎるのは
「だってよぉ、こんな珍しいもん見たら普通はこうなるだろ?」
大男は改めて湖に目を向けて言った。
「すげぇもんだな。岩か何かが発光してんのか? いや砂か?」
「水だ」と年若い男は言った。
「原理は
大男は首を振った。
「そうだろうな。さてどうした物か……」
「ここはあたしに任せて貰おうか」と後ろから来た
「あたしの本来の力を使えば
余りに何も起きないので年若い男は
天井も高く十八
柱は高さによって太さが異なって居たが直径は八
一体何なのだろうか、と年若い男は思った。
再度情報を取ろうと試みて見るが失敗に
例えば今隣に
年若い男は情報を取る事を止め、視覚に頼る事にした。無数の光の粒は柱の周囲を緩やかに飛び
比較的水面に近い位置で発光物は下に
柱以外の場所ではこう云った事は全く
絵と
水の発する光は、壁を、柱を、天井を反射して部屋全体を光で満たして居た。水自体が光を発して
手を前に翳すと天井に陰が出来た。手の周囲を光が揺らめいて居た。年若い男は黙って居た。大男も何も語らずに黙して湖を
「はーい完成!」と出し抜けに
「いやいや
「行き成り何を言い出すんだよ」と不機嫌な声で年若い男が言った。
「
「随分な言い様だねぇ……人が頑張ってこれを創ったと云うのに」
手に取って、と
手に取って、と
年若い男は吐息を一つして二つの塊にそれぞれ片方の手で触れた。同じ
「
「自分で
「別にあたしがデザインした
「そう――なのか?」
「見て御覧よ、あたしの
「
そう言われても年若い男は形を変えなかった。大男も変えなかった。不恰好と言われたのは癪と云えば癪だが動き易さと
「さて……
「丸で
「出られるよ。間違い無くね。あたしの勘がそう言ってる」
「勘ね……君は本当に何なんだ? ここが
「ふふっ、まだ疑ってるんだねぇ……あたしの勘は万能じゃ無い。あの柱にあんたを触れさせれば、あの建物から抜けられる事は察知出来ても
年若い男は溜息を吐いた。
「情報が全く取得出来ないから分析も出来ない。嘘を吐いて
「
「僕は自分の能力に絶対の自信を置いて
「ふふっ、そうだったねぇ……完璧だと思って居た
「自分の能力が完璧だと思う程に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます