第3話 事情聴取

その後、僕は直ぐに警察に保護された。


「早速だが名前、歳。」


「は、はい。黒崎くろさき わく 17です。」


「その時の状況、雰囲気。」


ありのままのことすべてを話した。

そして


「僕ならいつでも犯人かのじょの場所が分かりますよ。」


「……話してもらおうか」


「僕の異能で犯人かのじょの場所が特定できます。

後は、警察の方々が抑えてくだされば問題ありません。」


「タイプと名称は」


感情系エモーション 憎悪ぞうお


「……」


「……」


これが吉と出るか凶と出るか


「上に説明してくるから待っとけ。」


出た。運が回ってきたぞ。


「30分だ。30分以内に場所の特定、包囲、戦略を考えろ。」


「分かりました。」


既に、場所は分かるんだが焦る必要はない


「確認もかねて提示できる情報を下さい。」


現象系ディザスター 不明 不知火しらぬい あや 女」


心が読めるのは知らないのか。

僕と不知火さんだけ…

 

「笑う暇があるなら探せ。」


「はい、すいません。」


これ程までに30分が重く早く感じた事は

今まで生きてきて一度もなかった。


「時間だ。簡略的にかつ明瞭に話せ」


「はい、現在は横浜Bブリッジを移動中。

左右から挟み込むのが妥当かと。」


「現時刻は深夜3時24分 動員できるだけの数を横浜Bブリッジに当てよう」


「下はどうしますか?」


「船を動かせとでも言いたいのか」


「はい、僕は罪のない人間を殺すような人がいるのが許せないんです。1%でも可能性があるなら潰すべきです。」


目に強い意志が宿っている。

まだ若いのになんて目だ…いい目をしている。


「………船は3隻だ。素人の意見を使うリスクを考えろ。」


この人が心から警察でよかった。

若い子供が意志を持った強い目を向ければ

動いてくれる。

責任感のある人情深い人だ。


「ありがとうございます。」


「深夜4時00分に作戦開始だ、移動するぞ。車に乗りな」


「ありがとうございます。」


車の中では他愛のない会話だった。

高校はどうだ、感情系エモーションは大変だろう、家族とどう、よくある大人の形だけの会話だ。

話す中で、一つだけ気付いたことがある。

僕はおそらく監視対象に当たっている。

うかつに動けない。

それに、僕は作戦中船から出てはいけない条件での同行になる。

これから大変だなぁ、、、

早く会いたいね。不知火さん!楽しみだよ

これから、警察は僕と不知火さんの名前が

忘れなくなるんだろうね


「お前はこの船に乗っとけ。」


「はい」


さっ、僕の不知火さんは僕のアプローチに気付いてくれるかな




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