第39話 彼の行方
ミラクルコジオが駅から歩いて出てきた。
路地裏に待機する黒マスクの男達。
そしてその裏で待つシンの姿。
嫌な予感しかない展開...
そして予想通りにミラクルコジオは黒マスク連中に襲われた。
集団で服を引っ張られながらくの字の形で連れ去られるミラクルコジオ。
すかさずシンも後方で見守っていた。
ミラクルコジオは行き止まりの壁に叩きつけられた。
その路地裏は少し薄暗くボコるには最適な場所だった。
黒マスク「悪く思うなよ株主さん。俺らは雇われ集団だからな」
黒マスク2「こいつボコれば大金頂きっと~」
ミラクルコジオ「あはは、ハメられたねー。僕意外と敵が多いもんでね、ただじゃやられないんだよね」
黒マスク「あ?舐めてんのか?この集団にびびってはったりか?」
黒マスク2「やっちまえ!!」
次々とミラクルコジオに襲い掛かる黒マスク集団。
しかし、ミラクルコジオは軽々と黒マスク集団をいなしていた。
黒マスク「こいつ、パンチがあたらねー」
黒マスク2「ちょこまか動くな詐欺師やろう!!」
ミラクルコジオが一瞬にして本気の顔になった。
それまでニヤけた顔が真顔に切り替わるのをシンは捉えていた。
黒マスクのパンチをいなし、更に折るように腕を曲げさせた。
黒マスク「いててて!この野郎!!」
加減をせず、ボキッと音がなった。
黒マスク「ぎゃーーーーっ!!」
黒マスク3「おい大丈夫か!てめーこの野郎!!!」
三人が襲い掛かったがそれぞれに顔、腹、足に殴打して崩れ落ちるように倒れた。
他の黒マスク集団「なんだこいつ!話と違うじゃないか!!」
一目散に黒マスク達は逃げていった。
ミラクルコジオ「ふぅ、あ、そこにいるんだろう。シン君」
シン「は、はい」
ミラクルコジオ「だめだよー、今日出勤日なのに来てないってマネージャーから連絡あってさー。今からでも遅くないからいこうね」
シン「い、嫌です」
ミラクルコジオ「あ?契約書の事忘れてないよねー。多額の金払えるの?なんの才能もないちんけな奴がよ」
シン「すいません、今日で退職させて頂きます...」
ミラクルコジオ「おいおい冗談だろ。何でもかんでも言うこと聞いてりゃいいのによー。弱小若者くん」
シン「じゃあ、あなたを倒したら辞めさせてください」
ミラクルコジオ「ほぉ、いい度胸じゃん。こいよシンくん」
シンは拳を握りミラクルコジオに殴りかかった。
しかし勝てるはずもなく攻撃を避わされ顔に殴打を食らった。
しかし頭の中ではビリビリと次の予測が脳内映像で見えた。
一瞬だが自分の体内では遅く感じる程だ。
そしてその通りに動いてみる。
予測した動きでミラクルコジオの顔が険しくなった。
ミラクルコジオの心の声「こいつ何で俺の動きを解ってる。しかも雰囲気がさっきと違う...」
攻撃を避わされても殴打がくるが避けて左腹にアッパーをいれた。
ミラクルコジオ「ぐっふぅ!」
初めて攻撃が当たり少し焦り始めた。
ミラクルコジオ「なにか小細工したな、シンくん」
シン「いえ、してませんよ。あなたの動きが単調なんです」
ミラクルコジオの眉間がピキピキと血管が浮き出た。
ミラクルコジオ「くそ!なんで予測されてる!この!」
ミラクルコジオはやけくそに腕を掴もうとした。
通常、合気道は相手の攻撃に合わせて受け流し攻撃を加えるもの。
それが寸前で止められ逆に予想とは違う攻撃がくる。
相手の動きが解ってないと出来ない動きである。
ミラクルコジオは顔と腹に何発も食らいよろめき始めた。
ミラクルコジオ「くそ!!!もうやめだ!シンくん、やるな。ただ辞めるのは少々惜しい逸材だ。どうだ業務内容を変えて働かないか?」
シン「なんですか?またくだらない仕事ですか?」
ミラクルコジオ「いやいや、もっと楽に働けると思う。これだけ強ければ僕のボディーガードなんてどうだい?もちろん給料も3倍近くだす」
シン「考えておきます」
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