第19話 参上

しばらく暗い線路を歩いた。

奥に光が見えてきた。

シン「現場がそろそろだな、引き締めなきゃ」

光が射す方向に向かうとずらっと長い駅のホームが見えてきた。

駅のホームには悲惨にもぐちゃぐちゃにされた肉片が転がっていた。


シン「うっ、こんなの見るもんじゃねぇ。あの雑居ビルでもトラウマなのに...」

ホームに上がると静けさがある。

ホームを見渡し怪物がいないことを確認した。

階段を上がった。

上がる途中に喰われた人達が横たわっていた。


すると銃声がした。

シンは急いで上がり様子を伺った。

特殊部隊員「くそ、なんだこいつ!!なんでこんな撃たれてるのにしなない!!」

パパパパパンッ ドゴッ!

ショットガンやアサルトライフルで対抗するも全く効かない怪物。

特殊部隊員「やばい、こっちにくる!!一旦退くぞ!!」


ワーム怪物は目の前にいた特殊部隊員を喰いちぎる。

ぎゃあ!!っという叫び声と共に喰われた。

特殊部隊員「くそぅ、退け!退け!」

特殊部隊は一斉に改札を出た。

また、静かになるホーム。

怪物はむしゃむしゃと獲物を食べていた。


シン「戦うなら今か...」

すると、本屋から男女が走って改札を出ようとした。

ワーム怪物はギョロンと逃げる二人をみた。

そして奇声を上げて二人を噛みちぎろうとした。

男「うわ!!やめてくれ!!食べないでくれ!!」

男とワームとの距離が1mもない時にバチンッの殴りつける音がした。


ワームは本屋に飛ばされた。

本が散乱して破けた紙が宙を舞っていた。

シン「早く!逃げろ!!ここに誰も入れるなと伝えろ!!!」

男「でも、きみはどうするの?」

シン「いいから!ここはなんとかする!!早く!逃げろ!」

男「わ、わかった。伝えとくよ。ありがとうございます!!」

男が改札を急いで出た。


本屋から奇声を上げてシンに噛みつこうとした。

そしてシンの頭の中がキーンと鳴った。

シンの心の声「よし、すべて見える。次の予測!!そして弱点!!!」

シンは噛みつこうとする攻撃を軽々と避け払った。


木刀で体を痛め付けた。

ワームは奇声をあげるも襲いかかってくる。

そして大きく開けた口にクロスボアガンを取り出し喉奥に撃って刺した。

ワームは奇声を上げて少し怯んだ。

シン「よし、いける!!次はお前のその汚ねー口にお見舞いだ!!!」

木刀を大きく振り上げ鋭い刃に叩きつけた。


刃はバリバリと割れて口の中身が見えた。

おもいっきり木刀で突いた。

この時、シンは無意識に心臓部位にあたる部分を突き刺していた。

ワームは異常なほどに叫び倒れた。

シン「よ、よしやった...やったぞ俺...」

シンは疲れはて尻餅をついた。


シンの心の声「そうだ、あの人が言ってた剥ぎ取りしなきゃ」

シンはマチェーテを取り出し、ワームも肉を剥ぎ取った。

ワームの肉片をしまった時に後ろに微かに気配を感じた。

そしてそれは一瞬にして目の前に現れた。

シン「あの、雑居ビルの機械仕掛け人形!!!テメー!!」


シンは木刀で人形に振りかかった。

人形は消え、一瞬にしてワームに近づいた。

そして燃やしてしまったのだ。

その炎は緑色に輝く地球の原理では到底不可能な炎だった。

そして、機械人形は周りも炎に包みこんだ。


シン「てめー!!まてこのやろう!!!」

機械人形は炎の中に消えていった。

シン「まずい、このままじゃ俺も死ぬ。どうすれば...そうだ!」

シンはトイレに駆け込んだ。

そこでトイレットペーパーを生身の部分に巻き全身に水を被った。

武器を回収し、燃え盛る改札を一直線に走った。


シン「ごほっ!ごほっ!」

特殊部隊「なにか出てきたぞ!!手をあげろ!!」

シンは手を大きく上げた。

特殊部隊「顔がティッシュで隠れて見えない!!剥いでくれ!」

シンは顔に巻いた濡れトイレットペーパーを剥がした。

特殊部隊「生存者確保!!!この謎の炎の鎮火にあたれ!!」


シンは特殊部隊に保護された。

辺りは消防士もたくさんきていた。

消防士「あとは我々におまかせください」

特殊部隊「我々は少し下がりつつ応戦する。奴がこの炎の中出てくる可能性もある」

シン「そいつなら突然燃えました」

特殊部隊「本当か!?にわかに信じがたいが我々が確認するまでは断定できん。各自護衛に当たれ!!」


そして、この事件が連日のトップニュースになった。死傷者は20人もの人が犠牲になった。

シンは組織が待つ借宿にむかった。

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