第13話 救える命

女の子は早歩きで人混みを避けて進んでいた。

シンは人混みを掻き分けながら追いかけていった。

通行人「What's so urgent?(そんなに急いでどうした?)」

通行人「delightful Japanese tourist?(愉快な日本人観光客か?)」


通行人はびっくりした表情でこちらを見つめた。

シン「ソーリー、ソーリー、冷やソーリー」

通行人「What's with the hiyasorry? Is he crazy(ヒヤソーリーってなんだ?彼はクレイジーか?)」

女の子が廃教会に入っていった。

看板には立ち入り禁止と英語で書いてあったがシンは意味がいまいち分からなかった。

シン「気にしてられるか、乗り越えるぞ」


シンは女の子に続き廃教会に向かった。

通行人「He's in the restricted area. Should we call the cops?(彼は立ち入り禁止区域にいるぞ、通報するか?)」

廃教会を覗くとそこには案の定複数人が拝んでいた。

シンの心の声「ここだな、とりあえず連絡しよう」

プルルルッガチャ

組織の者「どうした、シン君」

シン「怪しい集団を見つけた、今すぐ特殊部隊を送り込んでくれ。場所はGPSで送る。廃教会だ」


組織の者「了解です。間違いないですか?」

シン「確信はないが、恐らく操られている人達だ」

組織の者「分かった、すぐに送るから待ってろ」

教会の中は光がなく薄暗いがかすかに人の姿があった。

目を凝らすと教壇の上に2人の姿がある。

確信は持てないがなんだが不気味な雰囲気だった。

すると、外が騒がしくなった。


一瞬にして周りが封鎖された。

入り口前に集団を成して特殊部隊が廃教会に入り込んだ。

特殊部隊「君がシンか、ここで間違いないか」

シン「ええ、違くとも怪しい集団には間違いありません」

シンは急に驚いた表情で「木刀店に忘れた!?」

特殊部隊「なんだ?木刀?戦うつもりか?」

シン「い、いえ自己防衛です」

特殊部隊「いいか、余計なことはするなよ」


シンは近くにある鉄の棒を持った。

特殊部隊「建物周辺を包囲しました。突入しますか」

特殊部隊「よし、やるぞ。位置につけ」

フラッシュバンを投げ瞬く間に制圧した。

操られた人達は激しく目を抑えた。

教壇にいる二人組が損傷した窓や開いた扉の光で姿が見えた。

シンの心の声「間違いない、雑居ビルでみた奴らだ」

特殊部隊「手をあげろ!少しでも怪しい行動したら撃つ!」

特殊部隊「人々の制圧完了しました!」

操られた人は手を後ろに縛られた。


すると謎の二人組は、するすると謎の手の動きをした。

シン「や、やめろ!!」

すると操られた人達の頭が吹き飛んだ。

特殊部隊「うわー、なんだこれ!」

協会内は血だらけになった。

特殊部隊「撃て!!!」

謎の二人組は蜂の巣のようにボロボロに撃ち込まれた。

すると、その体は木端微塵に小爆発をおこした。

シンはまた救えなかったことに絶望した。

10人の人が頭を吹っ飛ばされたのだから。

奴らの妙な三つの円を描くようなサインが脳裏をよぎった。


「シ....ンクン....シン...クン...シン君!!」

シン「はっ!?僕はいったい」

特殊部隊「大丈夫か?急に気絶したから心配したよ。体は大丈夫なのか?」

シン「ええ、大丈夫です。それよりも教会にいた人は...」


特殊部隊の人は静かに顔を横にふった。


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