第10話 真実

警察1「これでよし」

吊るされていたのはダミー人形だった。

警察1「ここにいるものは、この男が死刑されたとし今後のことは目を瞑るように。いいな」

シンは別室に連れてかれていた。

椅子にかけられたシンは困惑していた。

そして目隠しを外され目の前にいたのはスーツ姿の男だった。

スーツ男「やぁ、ビックリさせてすまなかったね。凄く不安だったでしょう」

シン「え、え、これはどういうことですか?」


スーツ男「きみはたった今死んだ。死刑でな。そして君は我々「Way Out」が保護観察をすることになった」

シン「え?」

スーツ男「困惑するのも無理もない、心配するな親御さんは海外に移住させ新しい人生を送って貰うことにした」

シン「え、ちょっとまって。色々おかしいだろ。そんなの認められるかよ」

スーツ男「君はとんでもないことに首を突っ込んだ。その責任があるんだよ。あの雑居ビルでおきたことは今の人類に到底成し得ないことだと思わないかい?」

シン「それはそうですね。人の頭に謎の人工物だったり操られたような人達だったし、何よりあの二人組が見たこともないような姿でした」


スーツ男「そう、その二人組。今回の黒幕とも言えるだろう。あるいは宇宙規模の組織だとしたらほんのカスに過ぎないのかもな。だとすると君はもう気づいてるはず、一連の仕業が人間ではないことも。ここ数年世界で謎の事件が多発して宇宙人という噂も上がる。そして決まって皆こう言う、見たこともないような姿の人がいると」

シン「たしかに、僕も調べましたが一連の事件が繋がる気がします」

スーツ男「ところで君はなぜ異変に気づいた?それも急接近して洗脳してるところを目撃した。これは物凄い進歩なんだよシン君。詳しく聞きたいところだ」


シン「それが自分でも分からなくて直感なんです。でも不思議な能力があります」

スーツ男「どんな?」

シン「命の危険にさらされたとき次の予測がフラッシュバックで視えるんです」

スーツ男「興味深い、それであの大勢のものと戦ったというのかね」

シン「いや、戦ったというより防衛ですかね」

スーツ男「だとしても君の能力は凄いことだ。ごく希にそういった類いのもを視る者はいるが大抵は本当に危険な時だけだ。君は常に見えるのかい?」

シン「はい、常に自分の危険にさらされたときに次の予測が見えます。そしてその通りに動くと上手くことが進みます。避けるだけでなく攻撃の仕方まで鮮明です」

スーツ男「ふーむ、まさに攻撃透視能力ということか。実に興味深いことだ、これからは私らが君の面倒を見るのと研究対象にさせてくれ。それから今も人が危険にさらされていることだ。くれぐれも巻き込まれないように注意してくれ」


シン「なんだか、そんな予感がしてました。自分が研究対象なんて。でもできるだけ自分で助けられるなら助けたいです」

スーツの男「だめだ、警察もこの一件で国家機密に動くそうだ。また迷惑をかけるようじゃこれ以上かばいきれないぞ。くれぐれも安静にな」

シンは聞く耳を持たなかった。

シン「最後に聞きたいんですけど僕が死んだということは家族に会えないんですか?」

スーツの男「そうだ、残念だがね。それから友達や知り合い、親戚にもな。きみはたった今亡くなった存在だ」

シン「でも葬式は?僕が重罪な犯罪者なら世間の目も厳しくなる。そんなの認められません」

スーツの男「もうこれしか手はない。しかしご家族や親戚には最善の手を打ってある。ニュースに載るのは偽名と嘘の情報だ。そして家族には生きてることも伝えてある。そして身に危険が及ぶ可能性があるから移住してもらうのだ、急にすまないね」


シンはしばらく黙り込んだ

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