第5話 再生

時間は夕方を過ぎていた。

その頃病院では。

三日前に急性アルコール中毒で倒れた男が蘇った。

男は記憶があるものの以前の彼とは違うと家族がおっしゃっていた。

医者「念のため、検査にご協力頂けませんか」

男「なんでです。わたしは正常です」

医者「正常かどうかこちらで判断致しますのでもうしばらく安静に」

男は露骨に嫌がり病院をさっそうと抜け出してしまった。

医者「なんなんだ、あいつ。でも脳のほとんどが空っぽなんて説明がつきやしない。現に起きてるし気のせいか...」


すると外部の病院から連絡がきた。

それは検査の内容とx線が送られた。

その内容は衝撃的なものだった。

医者「なに、脳が再生している!?しかも別の形に変異してるだと...この形は」

見たこともない球体のような人工物だった。

脳のわりに小さく周りはすかすかだったが中心にしっかり固定されていた。

起きた患者は正常に記憶が戻っていたが、どことなく本人ではない違和感がある感じだ。

医者「とにかく、この事態は我々では対処できんだろ。とりあえず上に報告をしておく」

館内は職員達でざわついていた。


辺りはすっかり暗くなっていた。

シン「大丈夫ですか、二人とも」

メガネ「二度も助けてくれてありがとう」

通行人「ほんとうにありがとう、でも変なんだ。記憶がなくて見知らぬ路地にいてなんか変だったよ」

シン「そうですね、なにか不可解ですね。二人はお住まいはどちらに?」

しばらく会話が続き二人は自分の家に帰っていった。

シンも自分の家に向かった。

スマホを見るともう23時を過ぎていた。

家に着くと母親が心配そうにした。

母親「こんな遅くまで珍しいわね、何してたの」

シン「ちょっと人助けを」

母親「変ないい訳ね、危ない真似はするんじゃないよ。ごはん冷蔵庫にあるから」

シン「うん、ありがとう」


シンはお風呂に入りご飯を食べて寝た。

ふとスマートフォンでニュースを見るとフランスで暴動が起きてるニュースがあった。

その内容は死者が蘇ったと。シン「ん?ゾンビ...でもおかしいな」

植物状態だった人が次々と起きて活動を再開したと、普通に日常に戻っていて生活しているとのこと。

ただ、問題なのは不可思議な行動が見受けられる。しかも脳内の画像が流失していた。

それは頭の中心に丸い人工物のようなものがあること、周りの失っていない脳組織は正常にあること。

シンはふと思い出し日本でも不可思議なニュースがあった。

ネットで調べるとたくさんの関連記事がでてきた。

そこには日本での被害者の内容まで。

シンは調べているうちに寝てしまっていた。


そしてある夢を見た。

また見知らぬ男の夢だ、男とわかったのは自分の手元が少しごつかったからだ。

見たこともない街の景色で地面は青く輝く鏡のような地面で空をうつしていた。

複数人の男達と歩いていた。

行き先は空まで高く建っている円形のタワーだった。

男達はヘルメットらしきものを被り、そして自分も被った。

中に入るところで目が覚めてしまった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る