1話 俺は帰ってきた!!

「魔王を倒すとは……君も強くなったね。」


相変わらず神秘的なオーラを出しまくっている。

いや、違うな……実際は出ていたんだ。

俺が分からなかっただけで……

強くなったこと実感できる。


「それにしても随分瘦せたね!ダイエットでもした?」


「いや~なんかLV30ぐらいからどんどん痩せていったんだよね~」


そう、異世界の定番「LV」の概念がある世界なのだ。

一番初めはウサギも倒せなかったんだよなぁ~

そして、俺の身長は3年前から15㎝ぐらいのびて、

腹筋もバッキバキだ。(←古い)



「そうそう、そのワンちゃん。君の世界に持っていくの?」


「ああ、一生のパートナーだからな。な!ジャル。」


「ワン!」


真っ白な毛で凛とした顔、大型犬ぐらいの大きさの犬が

俺の横にはいる。こいつは「ジャル」、

よく神社の隣においてある「狛犬」。

あれらしい……俺は旅の途中でこいつが襲ってきたので、返り討ちにして

なんか可哀そうだったから治癒の魔法で治したら、なんかついてきたやつだ。

ちなみに「神獣」、会話も成長すればできるらしい。


「ま、いいか……それは君が勝ち取ったものだからね。」


「で……ちゃんとかえれるんだよね?」


「ああ、いつでも君が転移したところに帰れるよ!」


「ほんとか!?よかった~。」


頑張ったかいがあった!


「でも……大丈夫かな?」


「え?……あ、そっか!いきなり痩せた俺が出てきても困るか……

って言い訳もなにもないでしょ……」


「あ、そう。わかった!ああそれと……」


「なんだ?」


やめてくれよ……まだなんかあるとか……


「今回魔王を倒した報酬として、僕をこれから3回まで頼っていいよ!」


「まじ!?それ、お前の神の力を使っていいことになるが……」


「いいってことよ、ほかの神が今頃苦しんでるだろうな~(笑)」


「??」


「ああ……俺たちおまえに賭けをしていたんだよ。」


「へ!?何を賭けてたの?」


「君が魔王を倒すか、それとも死ぬか、いや~大半の神は君が死ぬ方にかけてたよ。

君が魔王を倒すことに賭けてたのは、僕と、アテナあたりだよ。

いや~おかげで俺は神力をがっぽがっぽともらえたよ。」


アテナってあれか!勇気とかを司ってる戦争の神!

ん?なぜ俺に賭けたんだ?


「ああ……それはね、君の勇気に感動したのさ!過去との決別、新たな挑戦。

とっても感動してたよ!ああ、そう。もう次に出てくる質問に答えてあげよう。

神力についてかな?」


「く!?あたりだよ!」


ったく……人の心を読むとか悪趣味な……


「ま、悪趣味なのは認めるけどね~

それで、神力っていうのは、神が下界、これは現実のことだ。

それに影響を与えることができる力のことだ。

たぶん、星一つぐらい余裕で救えちゃうんじゃないかな?」


「まじ!?ほんとにいいの?」


「ああ!俺も助かったしな。」


「じゃあ帰るか……」


「あ!それと……たまに顔見せに来てね!このスキルあげるから。」


するといきなり目の前に青い板のようなものが出てきた。


「うわ!?」


スキル「神との会合」

……自分の好きな時に神と会話ができる

「ヘラクレス」限定


「すげーー!これ俺の世界でも使えんの?」


「ああ!もちのろんだよ!何のためにあげたと思っているんだい?

あと君の力、すべて向こうの世界で使えるから、

世界征服でも、ハーレム創っていちゃいちゃしても、

のんびり生きても、復讐しても誰も文句は言えないよ!」


「そ、そうか……」


「まあ自由に生きてよ。

それが僕の……いや、君の願いだろう?」


「ああ!そうさせてもらう。」


「じゃあばいばい!またどこかで。」


「ああ、ありがとう!」


そして、急に視界が真っ白になる。

この瞬間をずっと待ち遠しにしていたのだ。

~~~~~~~~~~

蘭葉が行った後、[神の儀式間]


「ああ……懐かしい……」


そうヘラクレスは言うとどこか虚ろ気な目で蘭葉が行った ゲート を見ている。


「ああ、わかってるよ。君が言ったことは守るよ、

それが条件だったね……だから蘭葉……生きてくれ。」


不適な笑みを浮かべるヘラクレス。

彼のその表情は誰にも知られることなく……いや……違うな。

まだ 君 がいたっけ?

~~~~~~~~~

すると俺は元の場所にもどされていた。だが、

なんかザ・ワー〇ド的な感じで、かつすべてが白黒だった。


「うわ!?なんだこれ?一見、時間を止めてるように見えるけど……」


〈はい、ヘラクレス様の力で時を止めています。〉


すげ~さすヘラ(さすがヘラクレスの略)

( ゚д゚)ハッ!つまり今は何をしてもばれないってことか……へへへ……あ?追記?


〈追記、だからって変な気起こしちゃだめだぞ!ヘラクレスより。〉


「さすがっす、やっぱなんでもお見通しってな!ガハハハハ!やめておこう。」


まて、なんか上に文字が……あと30秒で時は動き出すだって!?

まずい~なんか説明考えないとな……あ!説明もくそもないや!

ま、何とかなるか!(←バカ)


「一応自動追撃はオフにしておこう……誰構わず殺す勢いの魔法が飛んでったら終わりだからな……」


お!そろそろか……なんか、久しぶりだわ(泣)


〈時が動き始めます〉


すると、今まで白黒だったリビングが色を一気に取り戻した。


「ああ、それで蘭葉、二階にある洗濯物取り込んできて……」


「母さん……母さ~~ん!会いたかったよ~~」


「この声は蘭葉!?え!?ど、どういうこと!?目の前にいる顔がイケてる奴が

蘭葉っていうの!?!?どゆ、どゆこと!?今の一瞬で何があった??」


「あ~~ちょっと待って。しっかり説明するから。」


そして母さんを落ち着かせた後、話をすることにした。

今は10時過ぎぐらい、弟は学校に行っているので今は母さんしかいない。


「それで、どうしてそんな姿に?」


「え~~とまず、今の一瞬の間に異世界に呼ばれたんだよ。」


「え!?あのラノベの?今人気の!?ほんとに!?」


「うん。マジマジ。魔法でも見せようか?」


「い……いやそ、そんな摩訶不思議なことが……」


どうしようかな?危険性のある火や雷の魔法はだめだし……

土や水の魔法は後片付けがな~

あ!あれはどうだろう!


「じゃあ見せるよ……「スカイウォーク」」


その瞬間、俺の周りに風が集まって俺の体を持ち上げた。


「まじ!?空飛べるの!?認めるわ……」


開いた口が塞がらないと言わんばかりに口を開けている。

天井に近づく。

俺はゆっくり風の力を制御して自らの体を下す。


「カバか!?」


「カバだよ。(比喩です)」


もうカバじゃねぇか……ったく……(は?)


「で、学校にはどう説明すんの?」


「あ~なんか適当に痩せましたって言えばいいんじゃね?」


「無理無理(笑)無理があるわ!」


いきなり15センチぐらい伸びて滅茶苦茶痩せてたら誰も分かんねぇ……

そう、俺の体の成長自体はしているため高校生くらいなのだ。


「あとは……着替えだな……」


そう、そうなんだよな~なんもないんよ。

今の恰好、やばいからね。

戦闘服がボロボロの状態の人だから……


「ちょっと買ってきてくんない?母さん?」


「分かったわ。」


そしてサイズとかを確認しているときに母が話しかけてきた。


「……なんか最初は違和感あったけど今は全然違和感ないわ。」


「俺は涙腺崩壊しそうなのを我慢してるぜ!(´;ω;`)」


「え!?なんで?」


「三年ぶりだからな、ここに来るのが……」


「三年!?三年間も!?誰だ呼んだ奴は?私がとっちめてやる!」


「俺が……選んだんだよ……今の状態から変わるために……」


「こっちには帰れなかったの?」


「いや……帰れた、帰ることもできたんだ。」


「なんで!?なんで帰ってこなかったの!?」


「変わりたかったんだ。自分が情けなくて……」


俺は自分に自信が全くなかった。だから異世界に行ったんだ。


「でも……変わろうとしてくれたんだね!ありがとう……」


「ああ、ありがとう母さん。」


親のありがたみを知りました。

ああ、でも……アキバとか行ったらコスプレイヤーに見えたりするかな?

そんな馬鹿なことを考えられるくらいになった俺に俺自身がびっくりしている。


「で……どうしようか……」


「とりあえず久しぶりにここ満喫して!」


「ああ、わかった。」


すると、まだ動揺が抜けないのか少し千鳥足で玄関へ向かった。


「じゃあ、ちょっと服買ってくるね!」


「分かったぁ~」


お!冷蔵庫だ!いや~大変だったな向こうだと……

~~~異世界~~~

「え!?腐ってる……あ……そりゃ腐るわ……」

はぁせっかく銀貨2枚で高かったのに……

「冷蔵庫が欲しい~~~~~」


~~~~~現実世界~~~

「ああ!やっぱり電化製品最高!!」


この世界に戻ってきて初めてありがたみが分かった。


「あ~そういえばこんなアニメあったな~~」


お!これはいつかの奴やん!

定番の異世界作品。

自分が体験したせいか、物語の主人公に共感がある。


しかし、同時に上手くいっている主人公に少し嫉妬してしまう。


異世界はもっと過酷でした(マジトーン)


そうやっている間にお昼になってしまった。


「ゲームって楽しかったんだな!ここにきて実感。」


だが皆さん、異世界系RPG、あれ現実はもっときついよ……

感覚としては、

[水分の表示追加(なくなったら死)]

[HP三分の一を切ったらデバフ]

やばい、ガチで、竜と戦った時がやばかった。

最後は投石で倒したっけ……なんて情けない倒し方だと、今も思うことがある。


ピー―ンポーーン

「ただいまー」


「おお!荒南あらな、おかえり!」


「!?兄さん!?イケメン!?」


ハイめんどくさいやつ!


第一話終わり

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