怖いはずの彼女はなぜか優しい
「おっなんだなんだ旨そうな匂いをしてるじゃないか旨いのかそれ」
空に向かって話しかけているアギレラ
アギレラの見た目はスラリとした体型で引き締まるところは引き締まって大きいところは大きい
そんな魅力的な体型を持つ女性その体型を赤色のドレスのようなスカートが身に包む
その容姿を見ると全てを忘れてしまいそうになるほどに美しい見た目を持つ
黒髪に赤色のバラを飾り両目は白色の目である
魔王軍最高幹部は三人しかいないんだがその中で唯一の紅一点である
ああ本当に見ていて怖いとすら感じるね
袴田恵に似ているかもしれないなんて思うかもしれないが全然違う
美しいが恐怖を感じるってのは同じだが袴田恵は誰に対しても優しいアギレラは自分の気にくわないことが起きれば誰であってもすぐに殺す
まあもちろん袴田恵も自分を殺そうとしてくる相手には殺すんだろって?
そりゃ殺さないとまた殺されるからな
「ねえなにをみてるの?」
「ああいや悪いな」
「やっぱりきれいだから興奮したの?」
「は?いやそんなわけないだろ」
「へえならいいけどさ」
ほっぺたを膨らませながら拗ねる袴田恵を見て
「なあなんだか女性っぽくなりすぎじゃないか」
「えっ?」
「もしかして悪魔の呪いが強まっているんじゃね」
「いやそんなわけないよ」
「なんでそんなことをいいきれるんだ」
「それは……その」
まさか本当は男装をしていた女性だなんて知らないから袴田恵のついた嘘を信じて変な勘違いが進んでいくのだった
「こうなったら悪魔に詳しい人に教えてもらうしかない」
「へっ?いやまあそうだけど」
「なら……どうすっかなあ」
「あんた話してきたのに考えてなかったの」
「まあな感情のままに動いてるからさ」
「はああんたらしいけどさ」
「おいきさまら」
アギレラが話しかけてくる
あっこれヤバイ鳥肌が立ってきた
うんむりむりこれ死ぬやつやん
「どうしましたか」
「そこの席に座りたいだからどけ」
「いや他の席もありますよ」
「うるさい」
はあどうしようアギレラって感じだ
やはり異世界転生者ではなさそうだからよかったけど
「ねえ無視しなさいよ」
そんなことを耳元で袴田恵が言ってくるがただのめんどうくさい客じゃなくて魔王軍最高幹部だからなあ
「あのそんなことをいうなら出ていってくれませんか他のお客様のご迷惑になりますので」
空が震えながらも俺たちの間に割って入りアギレラに向かって睨む
あヤバイこれ殺されるパターンそう思いとっさに庇うよう立とうとしたら
「ふんまあそうだなすまなかった」
アギレラは謝ると他の席に向かっていき座る
え?あれ本当にアギレラかよ
ライバルであるはずの俺はいつの間にかハーレムを築いていたそしてこの世界は没になったはずの世界でした 山田空 @yamadasora
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