ドラゴンのお肉

「よし一旦帰るか」


「ええそうね」


なんだか幽霊が出そうで怖く感じた俺たちはボロボロのお店から離れようとしたのだが


「あれお客さんですか」


お店から一人の看板娘らしき人が出てくる


年齢は恐らく俺たちと同じ16歳ぐらいか


「いやそのここってドラゴンのお肉が美味しいって有名なドラテンであってます?」


「あってますよ」


「ああじゃあ」


「行こっか」


俺たちは看板娘に案内してもらいながらお店の中に入る


「今回のお料理はわたし空(そら)が担当させてもらいます」


そういって看板娘である空がお辞儀をしてきた


「あれ?他の人はいないんですか」


「はいその……」


ああこれは地雷を踏んだ感じだ


原作にはデートイベントがそもそもなかったからこんな人もいたんだと思えた


まあ恐らく両親が死んで引き継いだけど上手くいかずもうからなくて家を建て直す金も誰かを雇えるようなお金もないのだろう


「すいません少し気になっただけなので」


「いえ大丈夫です」


俺は持ってきた現実世界でいうところの一千万円をドサッとテーブルの上に置く


「このお金を渡すからドラゴンのお肉を調理してもらえたら俺は良いから頼めるか」


「えっあはいでもこんな大金貰って良いんですか本来の料金は3万円ですよ」


「ああ分かってるよけどまあなんだお腹を空いてるからさほら今って夕方で店をやっているところが少ないじゃんだからまあ恩返しってやつさ」


袴田恵が俺たちを見ていて途中でドサッと現実世界でいうところの100万円が入ってるであろう袋を渡す


「はああんたがそんなことをしているのに見ていられるわけないじゃない」


「ありがとうございます」


ガバッと深くお辞儀をしてきて俺たちは


「いやいややめてくださいよ俺はただ恩返しをしただけですって」


「ええそうですよ」


それに実は戦っていたりするからお金は持っているのだ


なんでそんな大金を持ち合わせているのかとまあ家に置いていても盗まれることがあったりするから自分で持っておいた方がよいのだ


「ではお料理を作らせてもらいますね」


慌ただしくキッチン台に戻る空を見ていると


「ねえもしかしてああいうのがタイプなの?」


「はあなんの話しだよ」


「いや一千万なんて大金を普通に出したからそれにあの子完全に惚れたと思うよ」


「いやいやあんなんで惚れるわけないだろ」


「くうドラゴンのお肉を食ってみたいと思ってたから楽しみだぜ」


そういって入ってきたのは魔王軍最高幹部であるアギレラだった


このタイミングで魔王軍最高幹部は登場しなかった


だってそもそも魔王軍幹部にすら負けているのにその上を出してもはいはい負けるのねにしかならないからだ


そもそもこのデートイベント事態本編にはなかったはずのものだから本当になにがおこるか分からなくて


異世界転生者なのかデートイベントによってシナリオが壊れたのかわからない

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