悪役は隠したい

「強大な敵に立ち向かう勇気うむ見事では教えてやろう力と言うものがどんなものかを」


木崎界が空に向かって手を伸ばし魔力を一点に集めて大きな玉を作り出す


「あははヤバイなでも俺も」


俺も木崎界の真似をして空に向かって手を伸ばし炎の玉を作り出すだがそれは木崎界の作ったものより小さかった


そしてそれをぶつけ合う


二つの玉の威力により辺り一帯が吹き飛ばされる


ああこのあとお家の弁償とかしなくちゃなあなんて思うのだった


結果は俺の負け


そりゃ負けイベントなんだから負けるのは当たり前


せめてきれいな負けかたは出来たと思う


「ふんこれでおしまいかつまらんやつだな」


地面に倒れている俺に向かって見下すように木崎界が言ってくる


その言葉は期待していたのにこんなレベルかと失望しているからこそ出る言葉だった


「はあすいませんねえ弱くてでもないつか袴田恵がお前を殺しにいくぞ」


「……ふむお前ではないのか」


「悪いな俺じゃ役不足なんでね」


「そうか残念だよ」


はあ出来るだけ気に入られる負けかたをしないと俺が魔王軍に入るときに推薦してもらえないからな


でもそれにしても痛すぎる


俺は疲れたからだをむりやり起こし袴田恵の元に戻るのだった


「お疲れさまでした」


手にタオルのようなもをかけている執事に頭を下げられて木崎界は手を振り答える


「ああお疲れさま少し汗をかいたからお風呂に入りたいんだけど良いかな」


顎にしろい髭を生やした老執事は答える


「はい出来ております」


「そうかならば入ってくるから今日戦ったあいつらについて一応調べておいてくれ」


「もう調べ終えたのではないのですか」


「それはそうなんだが少し心配だからな」


そういってお風呂場まで向かい衣服をかごにいれる


大きなメロンをサラシで縛り付けていたがそれを解くことによってメロンがバルンバルンと揺れる


衣服は大きくブカブカとしたものを着ることで大きなメロンを隠していたのだ


俺は知らなかった木崎界が実は女であることを


だってそもそもその没設定は少年漫画に出すにはエロすぎる設定だったから


それは幼馴染みである如月三久が死んで悲しみにくれる志熊哲平と肉体関係になるなんてエロすぎだろ


木崎界は衣服を脱ぐとお風呂の湯に浸かる


だがその前に戦いで汚れたからだをシャワーで流す


髪をしゃかしゃかと強くもむ


そしてこんな言葉を口にする


「はあそれにしても負けると分かっていても大事な親友のために立ち向かうなんてカッコよい男だったな」


そう頬を赤らめながら俺のことを考えている悪役の木崎界


そして当の俺はというと


「はっくしゅん」


「おい大丈夫か安静にしておかないとけががすぐに開くんだから気を付けろよ」


「ああ分かってるよ心配してくれてありがとうでもたぶんこれ誰かに噂をされている系のやつだと思う」


「なにをいっているんだ」


保健室で袴田恵にけがの看病をしてもらっていたのだった

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