主人公とライバル
「ふう脱出できたからよかったがもう二度とこりごりだぜ」
「あれ?そんなに汗かいてどうしたんだ」
俺が如月三久の束縛から逃げ出したら袴田恵がいた
「いや別に気にせんといてくれ」
「それ言われたら余計に気になるし」
志熊哲平がどんな感じでしゃべるのか考えながらしゃべるのはめちゃくちゃ大変なんだぞ
キャラ崩壊はできるだけしたらダメだし
……いやまてネタですむのでは
バトル以外はギャグシーンが多い作品だったし
「いやあ朝から幼馴染みにズボンを脱がされそうになってないやあ危うく」
「ねえその話し詳しく聞かせてくれない?」
なぜだか背筋が凍る感覚をするぐらいの圧を袴田恵から感じて
「なんでそんなに怒ってるんだよ」
「いや別に気にしないで」
「ああもしかして体が女性になったから心まで女性になり始めてたりするんじゃねだからなんか嫉妬心みたいなものが目覚めて」
「はあ嫉妬なんてしてないし」
「いやそういう話しをしているわけでは」
「うっさいバカ」
このときの俺は袴田恵が俺に恋をしているなんて夢にも思っていなかった
それに俺としては袴田恵と志熊哲平のライバル関係が好きな俺からしたら恋人関係なんて最悪なのである
「それでけがをしてたけどなおったのか」
「へえ心配をしてくれるんだ」
「別にただ俺との戦いに支障をきたしてほしくないだけだ」
「あはは素直じゃないんだから」
「別にそういうわけじゃ」
「なんてね」
「なあなあ男同士でこの会話は……そのキモすぎないか」
「あはは確かにねでもどきまぎしたからそういうのかなとも思えるよ」
「えっいや違うよ」
「あはは分かってるよ」
俺たちがそんな会話をしているとけがをさせた張本人(本来なら俺は初対面)の木崎 界(きさき かい)が拍手をしながらやってくる
「くっくくやあやあ楽しんでいるみたいじゃないかいいねえ」
君の悪い笑顔を向けてくるが実のところ本当はめちゃくちゃ良いやつなのである
顔や動きとかがどうしても悪いやつにしか思えないが実は大体本心からの言葉である
俺は袴田恵を庇うように前に出る
ここで俺は負けてしまい木崎界との敵対関係ができてしまうんだよな
木崎界はラスボスの正体をつかみかけている重要人物でありライバルの一人
えっならさっさと話し合えば良いんじゃねと思う人もいるかもしれないがダメだ
後々の展開的に木崎界に全力で負けにいく
ここで少しだけ転生前の話をする
あと個人的に好きな志熊哲平のせりふの話もする
えっこのふたつ必要なのかよと
良いじゃん聞いてくれよ
「俺は嫌いだお前みたいにカッコつけているだけのような人間がそのくせすぐに越えていくそんなお前が大嫌いだ」
主人公に負けるまで勝ち続けてきてたからこそ嫉妬心からの言葉を口にするそんな負けず嫌い
それが志熊哲平という人物
そして俺はそのキャラを演じていた声優
俺は黒き世界に夕刻をのファンだった
だからそのオファーをもらえたときすごく嬉しかった
それが俺山田克信という人間だ
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