第14話 西殿塚古墳
ここから「
「
その標識に従って行くと、道は街をはずれ、果樹畑のなかへ……。
いや、これ、畑の道だよね? 畑で農作業をするための道だよね?
若いころは、畑のなかの道だろうが、それどころか明らかに道でないところであろうが、「そこに古墳があるからだ!」みたいな情熱と無鉄砲さで突き進んでいましたが、さすがにそれはもうできない。
でも、標識があるということは、行っていいんだ、ということで、その道を進みます。
そこで栽培しているのが何の果物なのか、知識のない私にはよくわからないのですが。
春のことで、木からようやく浅い緑色の葉っぱが伸び始めているところでした。
こういう状態を、ことばの本来の意味で「萌える」というのですね。
その道の向こうに、大きな森が、そして、森に覆われた盛り上がった地形が見えます。
そこは、さっき、坂を登るときに家々の背後に見えていた巨大な森でした。
果樹畑を進むと参拝所に出ます。
この巨大な森が西殿塚古墳だったのです。
西山塚古墳が全長一一四メートルなのに対して、西殿塚古墳は二三〇メートルで、長さだけで倍です。幅や高さも大きいので、西山塚古墳に較べると圧倒的に大きく感じます。
ちなみに、同じ初期
でも、高い場所にあるので、存在感は大きい。
やっぱり、この西殿塚古墳は古代大和王権の偉大な大王の墓(
姫が偉大ではないと言ったら怒られますけどね。
……そのへんは、
ところで、西殿塚古墳には、前に山の辺の道を歩いたときよりもさらに前に来たことがあります。
そのときには、こんなに大きな前方後円墳という印象はなくて、畑と町のある近くに古墳があって、そこから大和平野が遠くまで見渡せた、という記憶が残っています。「
そのときは、箸墓古墳や渋谷向山古墳、行燈山古墳に先に行っていて、だいぶ夕方に近づいてから西殿塚古墳に来たので、あまり「大きい」という印象がなかったのかも知れません。
さて。
西殿塚古墳にもお参りして、姫の
西殿塚古墳からは、もういちど西山塚古墳に戻って、
その途中で、無人農産物直売所でみかんを買いました。
先日、近所のスーパーで夏みかんを売っていたので「
ところが、この姫の御陵の近くで買った夏みかんはとてもジューシーでおいしい!
しかも、少し小ぶりですが、スーパーの初物と較べて値段が五分の一です。
これは良い。
姫様のおかげと感謝しています。
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