(四)
俺とサナさんは病室に入った。
「今日は元気そうね」
サナさんが声を掛けると、わずかに顔を向ける少女が、窓際のベッドに横たわっていた。
俺はそれが誰だったのか、一目見ただけではわからなかった。だから一歩ベッドに近づこうとした。
そのとき、サナさんに背中をバンと叩かれ、「ほら、彼女が待ってる」と言われた。
背中を叩かれた勢いで俺は二、三歩前に出た。ベッドまであと二歩ほどの所まで来た。
そしてベッドに横たわっている少女を見た。以前見たときよりも顔が白くなり、やつれているようにも見えたが、それはミカだった。
(続く)
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