第46話

 まえがき


 ネタバレになりますが、今話でタマが擬人化します。

 猫の人化がどのレベルかは皆さんの性癖にお任せます。猫耳だけでも獣のままでも、何なら四足歩行でも。

 皆さんの性癖に従って見てください。



 本編

 

 

 突然のタマによる孕む宣言と人化可能宣言に僕だけでなく全猫が驚く。


「い、いつの間にそんな技術を開発したんや……?あてらも一回やろうとして失敗した人化を……」


「ご主人さまの子供を孕みたい一心で努力した。完成したのはホント最近で一年ほど前であるな」


「……あてらがダンジョンで右往左往していた時期にそれを」


「吾輩もれっきとした科学者たるぞ?本気でやればこのくらいは可能……汝らの本気であっても行けるであろう。吾輩たちもまた、長き年月で何もかもが錆びついているのだ」


「……長きときの錆を僕との出会いだけでタマは破壊したの?」


「うむ。そうであるな」

 

 タマがポツリと呟いた僕の言葉に同意する……僕ってばごく一般的な飼い主としての愛情を注いで一緒に生活していただけで特別なことは何もしていないんだけど?

 なんでこんな好感度高いの?高すぎじゃない……?


「我ながら吾輩の案は最適だと思うぞ?もとより人間を頼るより己が力で解決してしまうほうが早い」


「いや……確かにそうかもしれないけど、でもうちらはダンジョンで色々やったやろ?そんな簡単に受けて入れるかな?」


「問題ないだろう。もとよりダンジョンという脅威が自然発生したという体にして、そんな人類を助けるために吾輩たちが来たと言う設定にすれば。体ならばいくらでも作れるだろう?吾輩たちは何のための猫で、彼らは何のためのホモ・サピエンスなんだ?」


「まぁ……それもそうか」

 

 僕は勝手に猫たちが会議していく様を眺める。

 ……猫たちが顔を突き合わせて日本語で会話しているってどんな状況なんだ?


「いや、まずはタマの人化を見てからではないか?その精巧性。俺らにも出来るものなのか。それを見てからだろう。本格的な議論は」


「む。まぁ、それもそうか……それではとくと見よ。吾輩の人化を……行くぞ、ご主人様」


「……え?あっ、うん」

 

 急に話しかけられた僕は戸惑いながらタマの言葉に頷く。


「……ふん!」

 

 タマの体が光に覆われ、変容していく。


「おぉ……」

 

 変化にそこまでの時間はいらなかった。

 いつの間にかタマは僕よりも結構身長の高くてもスタイルも抜群な美女へと変化していた。

 どこから来たのか服は漆黒のドレスを纏い、その見た目には猫要素も残されている。

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