第31話
僕のスキルの件で美咲さんからガッツリ絞られた僕はその次の日、高校へと登校していた。
高校生なのでちゃんと僕は配信もしながら高校に通っているのだ。
「そういえばお前ってば動画配信するって言っていたけど結局どうなったんだ?」
僕の唯一の友であり、冒険者をやっていることも、配信を始めたことも知っている玲央が調子を聞いてくる。
「まぁ、ぼちぼち順調だよ?」
「おぉ。それなら良かった」
僕の言葉を聞いて玲央が安心したような声を上げる。
「なんか仮面を被った配信者ってやつがエゲツナイほどの話題性で人気になっているし、翔琉のことなんて消えているかと思った」
「あー、そうだね」
僕は玲央の言葉に頷く。
基本的には動画上の僕は仮面を被っているし、ちゃんと声も別人に聞こえるようガッツリ変えている。
いくら僕とリアルで会い、仲が良かったとしてもあの配信者が僕であると分かる人もいないだろう。
そして、超絶バズったと言っても良い僕の後追いでダンジョン探索配信を行っている人も結構いるので、別に僕がダンジョン配信の話してもそこまでおかしな話ではないだろう。
「そうだね?」
「いや、あの人には勝てんやん。強すぎワロタって話でしょ」
「それもそうか」
僕の言葉に玲央が頷く。
「……ねぇ」
それからしばらく。
僕と玲央がダラダラ雑談していると、桜に声をかけられる。
「ぴっ」
「何?」
圧倒的な陽キャオーラを放つ桜を前に固まってしまった玲央を横目に僕は桜に疑問の声を投げかける。
「ちょっと……その、お願いしたいことがあって」
「ん?僕に?」
「うん。翔琉ってさ、冒険者として活躍しているんだよね?」
「えっ……?あぁ、うん。そうだね」
何で僕が話していないのに桜が知っているのだろうかと思いながらも、彼女の言葉に頷く。
「私も冒険者になってみたいからさ……ちょっと一緒に来てくれない?」
「ん?あぁ……別にそれくらいなら良いよ」
僕は桜の言葉に頷く。
「もちろん。キャリーはちょっと嫌だけどね」
「いや!そこまでは望んでいないから大丈夫だよ!ふふふ。一緒にダンジョンに行けることを楽しみにしているよ!」
僕の言葉を受け、桜が嬉しそうに笑みを浮かべる。
うーん、そんなにダンジョンに興味あったんだね。
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