Precious story No.6

「〜〜〜♪」


今日一日中気分よく鼻歌をしている希です!!いやぁそれにしても衝撃の事実、まさか炎道さんとくるみママが幼馴染だったとは!幼馴染、それは同性、異性、カップルに関わらず無限に燃える萌える尊いシュチュエーション!四人で会話していた時何か違和感があったんですが、男女比1:3の中で肩身が狭いのかなと思っていたので盲点でした!(まぁ肩身が狭いのも事実でしょうし、私も逆の立場なら狭いと思います)


やっばいです、さっきからニヤニヤが止まらないです。このままだと今日のコラボ配信に支障ががが…ええい動け私の表情筋!セメントのように固まるんじゃあない!


そんな無意味な(戻そうとするたびにお二人の妄想が頭をよぎり再びニヤニヤする以下無限ループ)格闘をしながら四人が集まるデュスコード(基本配信する時はこちらの通話アプリを使っている方が多いです)に入っていきます。


そこには既に佐々木ちゃんが入っていました、本当は梨恵ちゃんって呼びたいけどまだ少し恥ずかしくて言えてません。佐々木ちゃんには尊衣は呼びにくいだろうからって事で希と呼んでもらってるだけに早く私も梨恵ちゃんって言えるようになりたい!


「佐々木ちゃんこんっす♪早かったですね、まだ始まるまで時間がありますが何かされてたんですか?」


「…こんっす?あぁこんばんわね、こんばんわ希。今日は一日中予定もなかったしサムネとか色々と作業していたの。時間を気にしなくていいようにあらかじめデュスコードにだけ入っていたのよ」


「成る程成る程そう言う事ですか!それならまだ集合まで時間がありますし、作業をしていても大丈夫ですよ」


「分かった、ならお言葉に甘えさせてもらうわね?急ぎの作業じゃないし喋りながらでも「いえ!大丈夫ですよ!ミュートはお呼びかけした時すぐにお返事が欲しいので、できればそのままで!」そ、そう?ならそのままにして作業に戻るわね」


よし、計画通りニヤリ私自身の作業(ワタマロの整理等)は既に終わらせていますし、ここはたっぷり尊いを補給しましょう。時折聞こえる「ここをこうすれば…いやそれよりも…」等の真剣に悩む声!それと画面上に広がっている佐々木ちゃんの表情!た、たまりません!後4、5時間は眺めていられます!そうしてしばらく眺めていると…


「こんばんは。見る限り俺が3人目か、集合時間にはまだ早いけど待たせたみたいですみませ…ん?え?何ですかこの状況、佐々木さんと尊衣さん無言だし片方真顔の片方固まったみたいに笑顔から表情変わらないってどういう?」


「こんばんは〜あれ、私が最後かな?待たせたみたいでごめんね![ガタッ!]ん?何の音?」


と炎道さんとくるみママがほぼ同時に入ってきました。会話の内容からしてお二人共特に合わせたわけではなくただの偶然?流石幼馴染!あぁ、この数時間でこんなにも濃い尊いを補給できるとは!思わず立ち上がってしまいました。勢いで机に足をぶつけてしまいましたが


「い、いえ大丈夫です。ちょっと内なるリビドーが大爆発しそうになっただけだったので、お気になさらず。お二人共こんっす♪」  


「二人とも?そっかカイカイ今さっき入ってきたんだ〜。それまでほぼ二人同時に通話に入った事で尊いの補給が限界突破しそうになったと?」


「流石くるみママ!そりゃそうですよお二人が幼馴染と聞いてから…ん、んー!どうせならこれは配信で語りましょう。本音は今すぐ語りたい所ですがこれは共有者さん達に共有したいので…ここはぐっと我慢…します」


「なんか断腸の思いで言ってるけどそこまで?2D絵でもわかりやすい表情ってどんだけなんすか?つかさっき笑っていたのもそう言う?」


ずっとニヤニヤしてた理由を聞かれました…こ、ここは勢いに任せて名前呼びするチャンス!


「そうです!佐々木ちゃん、ええい勢いで言いますがこれからは梨恵ちゃんって呼ばせていただきますね!?梨恵ちゃんの真剣な表情と声から尊いを補給していました!」


「え!?何かおかしいと思ったけどそう言う事だったの!?凄い恥ずかしいんだけど?な、名前呼びに関してはまぁ、別に…そのままでいいけど」


「すーーー、待って下さい今からお金おろしてくるんでちょっと席を外してもいいですか?「なんで!?」いやちょっとスパチャするための魔法のリンゴカード軍資金を…「だから同期にスパチャしようとすんな!!」そんなご無体な!!?」


そうか、まだ全員にスパチャなげれないんでした(違うそうじゃない)う、嘘ですよね?なら私はこのうちから湧いてくる尊いエナジーをどう放出すれば?このままだとまじで大爆発しますよ!?し、静まれ私〜


「この様子こそ配信で見せたら盛り上がりそうだけどな。後尊衣さん?すげぇ顔が百面相してるけど大丈夫ですか?」


「は、はい大丈夫です何とか抑えているので気にせず打ち合わせを始めましょう。これ以上はちょっと耐えられそうにないので」


「いや何をだよ」と言う炎道さんのツッコミから今度こそ打ち合わせに入ります。それにしても…炎道さんツッコミ適性高いですね?くるみママに長年鍛えられた結果でしょうか


こうして時に炎道さんや梨恵ちゃんのツッコミを受けながら打ち合わせを進めいよいよ配信開始時間となりました


「ふーなんか配信開始前なのにどっと疲れたな、このノリでコラボ配信すんのか…俺もつかな」


「私も何だか心配になってきました」


「そう?むしろ私はすっごく楽しみだけど!配信でどれだけいじれ「おい」…いやいや冗談だよ?」


「はい私もとっても楽しみです!」


「うん、尊衣さんとくるみで全く意味合い違うな。ま、心配しててもしょうがないしそろそろ始めるか!」


そうして私達の初コラボは始まりました





「共有者、見守り隊(佐々木梨恵を見守り隊)、同志、炎者の皆さんこんっす♪今日は、今日はですよ!?四期生全員での初配信感想会!特に終了時間などは設けていないので私達と皆さんで気の済むまでたのしんでいきましょう!!」


コメ欄

 いい笑顔だこと、こんっすは固定挨拶かな?

 そりゃ3人のファン0号名乗ってるからな。推しと時間を気にせずお喋り出来るとか天国だろ

 それはそう

 ご褒美配信は草


「ご褒美配信、そりゃそうですよ!デビュー前から推しである3人とコラボできるんですよ?これをご褒美と言わずして何と言いましょうか!?」


と、落ち着け私〜!まずはお三方をお呼びしなければ!爆発するのはその後です


「ん、ん〜それでは他の皆さんを配信順にお呼びしましょう!それでは佐々木梨恵ちゃん!」


「皆さんこ、こんっす!Vニーズ三期生の佐々木梨恵です。今日はよろしくお願いします」


「えへへー、恥ずかしながらも言ってくれる梨恵ちゃん。次元の壁(配信者一人一人が分かりやすいように枠で囲って区切りをつけています)が無ければ今すぐ抱きつきたいですね!今日はよろしくお願いします」


「抱き!?んん!ちょっと何言ってるのか分かんないけど今日はよろしくね希」


コメ欄

 流石実際抱きついた人の言葉には凄みがあるわ

 次元も飛びこしそうなのが何とも

 流石にそれは…ヤベェ否定できない


「はい、よろしくお願いされました!そしたら次は私のママでもあるイラストレーター兼同期である猫崎くるみママー!!」


「やぁやぁ皆んなこんっす♪Vニーズ三期生にして尊衣希、希ンのママ。猫崎くるみだよ〜今日はたっぷりいじ、楽しもうと思ってるから宜しくね皆」


コメ欄

 おい今なんか別の事言おうとしたぞw

 これは次の人涙目

 実質標的一人で草


「ママー!今日は時間無制限なので四人で一緒にめいいっぱい楽しんでいきましょう!それでは最後の三期生黒一点炎道カイトさ〜ん!」


「え、これ俺も言わなきゃダメ?あ、はい。皆こんっす!黒一点ってのは聞いた事ねぇけどとりあえずVニーズ三期生、炎道カイトだ宜しくな!」


「はい宜しくお願いしますね!具体的にはくるみママと幼馴染だからこそ出来る絡みを…ん、ん〜!さて話を戻しまして、まずは初配信の感想から話していこうと思います。その後に皆さんからのワタマロを読んでいきますね」


そうして私は自分の配信で切り取った画面を映しながら話し始めます


「先ずは私からですね!まぁ初手やらかしと言うか配信設定を忘れていて危うく裏の様子をお見せする所でした。そう言った尊いポイントはもう少し月日が経ってから…いえ、見せない方がいいのは確実ですけどね!何にせよその後は問題なく楽しい配信を出来ました!」


『それはない(でしょ、よ、わ)』


「そんな息ぴったりに否定しなくても!?あ、でも打ち合わせなくて息ぴったりに声を合わせられるなんて尊いです!」


「だって希、犬飼先輩や柊木先輩の紹介?プレゼンを2時間以上やっておいてどう問題なくって言えるのよ」


「にゃはは〜確かにねぇ元々初配信時間って確か1時間前後だったよね?それを2時間、しかも自分じゃなくて先輩達の紹介だけで埋めるって言うのはVの世界でも初めてだったんじゃないかな?」


「見てた俺も驚きだったわ、もうそろそろ終わりだなぁって思ってたらそこから2時間だし、でも全く退屈させない興味を惹かれる紹介の仕方してるのはスゲェと思ったよ」


「うぐ、事実なだけに何も言えません。まぁやった事に関しては後悔していませんし、共有者さんと野望の一つである共有ができたのは大満足です!マネージャーさんにはたっぷりお言葉をいただきましたが」


コメ欄

 それはそうでしょw

 逆にお言葉だけで済んでよかったね

 〈犬飼カオル〉嬉しかったけどすっごく恥ずかしかったからね!?

 〈柊木暦〉自分の歴史をあぁも楽しそうに話されると先輩として注意する気も起きなくなりますね。ありがとうございます


「おお!犬飼さんに柊木さん、お二人共見にきてくださったんですね!この3日間の間にもお二人の尊いポイントは増えていますよ。例えば…「はい希ン落ち着いてね〜これ以上は進行できなくなっちゃうでしょ?」うぅ…残念です、これは自分の個人枠ですることにしますね」


「やるにはやるんだな」


「それでは次に梨恵ちゃん!初配信どうでしたか?」


画面を梨恵ちゃんの配信を切り取った画面に切り替えつつお話をふります


「そうね、最初こそ緊張したけど誰かさんのおかげで落ち着いて配信できたわ。まだ辿々しいところはあるからこれから慣れていこうと思っているわ」


「何つーか、俺含め他の初配信がアレだったせいか佐々木さんの配信すげぇ安定感というか安心感すごかったんだよな。初配信とは思わないくらい」


「そうだね〜梨恵チーの声も相まって耳心地の良い配信だったよ。ASMRとかやったら面白そう「ASMR!!!?」落ち着こうね〜希ン」


「ASMRですか、考えた事も無かったですけど機会があればやってみようかな」


コメ欄

 ASMRだと!?

 確かに癒される声だし合ってるな

 一番楽しみにしてそう希


こ、これは期待して良いんですか!?良いですね!?梨恵ちゃんのASMR…ぐへへへ〜


「何か尊衣さんフリーズしてるから俺が進めるけど、くるみは初配信どうだった?」


トリップしながらも無意識にくるみママの画像に切り替えました


「私はそうだね〜希ンからのお願いもあったし私もサプライズは好きだから四人の集合絵を描きながらの配信をしたけどそれでカイカイがいじられるとは思っても見なかったよ。配信はみんなの反応を生で感じられるから楽しんでやっていけそう」


「いやまじでそれな、あれに関しちゃ一概にくるみのせいってわけでもねぇけど俺もあぁなるとは思わなかったわ」


「私はやっぱりイラストレーターってすごいんだなって思いました。見ている人に気づかれないようにあんなに良いイラストを描いていたなんて」


「にゃははは〜褒められてもイラストくらいしか出ないよ〜。誰かとお話ししながら描くのは元々好きだったしその延長線上だと思えば苦ではないかな」


コメ欄

 あれ希がリクエストしたのか

 それに応えるくるみママ、てぇてぇ

 さっきも暴走しかけた希止めてたしママ属性あり?


「は!!すみません梨恵ちゃんの妄想ASMRに浸ってました。くるみママのイラスト前々から好きだったのでそんな人が自分のママになってくれたのは嬉しかったです!」


「ありがとね希ン♪希ンも良いイラスト描くよね。梨恵チーの初配信、サムネの絵描いたの希ン何でしょ?」


「はい!初配信の興奮が収まらず勢いでって感じだったんですけど快諾してくれた梨恵ちゃんには感謝です」


「お礼を言うのは寧ろ私の方よ。ASMRの妄想って言うのはよく分からないけど、お願いしてから1日であんなに良いイラスト描いてくれてありがとう」


ありがとうを少し恥じらいつついう梨恵ちゃんいただきました!これは後でピン挿し(動画内で見たい部分を時間で指定してスキップ出来る機能)してループ再生しなければ!


「えへへ〜感謝されちゃいました!それじゃあ最後に炎道さん、初配信どうでしたか?」


「そうだな、俺の場合終盤がとんでもなかったわ。そこん所どう思いますよ猫崎くるみさん?」


「いやぁ本当に凄かったねぇ、ちょっとしたらやめようと思ってたけど楽しくて止まらなくなってたよ。ごめんねカイカイ!」


コメ欄

 確信犯がいるw

 反省の色が見えませんなぁ

 ニコニコで草


「たく楽しそうに言いやがって、まぁ炎者のみんなが楽しんでくれたようでよかったけどな。にしても二人絵を一番最初に描かれるのが同期だとは思わなかったぞ」


あ、これ私の事ですね


「…だって仕方ないじゃないですか!!?同じVtuberで、会社の同期ってだけでも推せるのにそこに幼馴染属性ですよ!?そんなもん描くなっていう方が拷問ですよ!お二人の幼馴染ゆえの遠慮のない会話のキャッチボール、今思えば三期生で通話していた時に違和感は感じていたんですが納得ですね。イラストに関しては爆発したリビドーに従っていたらいつの間にか出来ていました」


「あ、その感じわかる。インスピレーションを刺激されたら止まらなくなっちゃうよねぇ。それにとっても良いイラストだったよ希ン!」


「イラストレーターでもあるくるみママに言われると、とっても嬉しいです!」


「私は炎道さんに言われてコメントするのは控えたんですけど、よく分かりましたね?」


「ん?そうだな。ほんと何となくって感じだけど、こういう時って一人だけコメントしないのはどうなんだって考えてそうな気がしたんだよ。その後結局マネージャーさんとOHANASHIしたみたいだしコメントしないで正解でしたね」『ガタガタ』


「い、いやぁ優しいマネちゃんが声をそのままに淡々と諭すように言うのは少し怖かったよ」


「そ、そうですねぇ!さて続いては皆さんからのワタマロを読んでいこうと思います!」


OHANASHIを受けた場面を思い出した私とくるみママの声が震えていたのは蛇足です!本っ当に申し訳ありませんでしたマネージャーさん!!

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