2023/06 文藝春秋「第103回 オール讀物歴史時代小説新人賞」
【詳細URL】
https://www.bunshun.co.jp/mag/ooruyomimono/prize.html
【応募作】
栄華の左目、誓いの右目
https://kakuyomu.jp/works/16818093076847013571
【事前作戦】
もともと、同時期にアルファポリスでやっていた歴史系コンテストに興味が湧いていたのですが、確認したところ、そちらの過去受賞作リストには日本史作品(それも戦国と江戸だけ)しかありませんでした。実質そこ限定だとすると、自分の関心対象は中国史なので応募するだけ無駄そうだな……と、参加を迷っていました。
が、上記の内容を某所でぼやいたところ、とある方が「オール讀物の方なら募集要項に『舞台は国内外を問いません』と明記してある」と教えてくださいまして。
自分の文章特性から考えても、Webコンテストよりは出版社系公募の方が向いているかもしれないと、応募先を切り替えました。
内容は、以前匿名短編コン四季編向けに書いた連作「開封府、遥か遠く(現在、別途公募応募のため非公開中)」秋編のノーカット版的な話にすると、決めておりました。
匿名コンでは、時代背景を知らない不特定多数の方に向けて書く関係上、陰惨な内容やセンシティブな内容を極力カットするか、やむを得ない場合でも極力マイルドにしておりました。また、話にとっつきやすくするよう、固有名詞を極力排除しておりました。
それはそれで仕方ないのですが、自分の中で「やり残した感」があったのも事実で。
この機会に、リミットを取っ払った本気の歴史小説として、リベンジに挑戦してみようと思った次第です。
……が。
ガチの歴史小説、そりゃあもう大変でした……。
宋代の資料で必要なところがあまり訳されていなくて、しかたなく機械翻訳と己の勘とを頼りに漢文史料と格闘する羽目になったり。
日本語版Wikipediaで「○史○○本紀によると~」という前置き付きで紹介されている逸話が、その○史○○本紀に載っていなかったり(別の所で見つけました……)。
史料にあたっても分からない部分は中文版のWikipediaで補完するのですが、「この話! めっちゃ気になる!! ソースどこ!!」と思ったエピソードにかぎって出典不明で深掘りできなかったり。
遅々として進まない史料読み込み、過ぎ去っていく時間。
ようやくプロット完成して本文に取り掛かれた頃には、締切まで一週間を切っておりました……。
そんな次第で、自分史上トップレベルのギリギリ具合でどうにか滑り込んだ本作ですが、直前チェックをお願いした超絶仕事の早い有償講評者様には非常に好評でした。
「[私]様が、一つ上のステップに行った記念碑的な作品」とまで言っていただけたので、それだけで、書いたかいがあったような気持ちになっています。
色々な意味で盛大に苦しんだ分、書き手経験値が大量に入ったのかもしれません。
本作は陰惨な内容やセンシティブな内容を多分に含んでおり、Web公開するかどうかはちょっと未定なので、願わくは公募で日の目を見てくれるといいなあと思っております。
(2024/06/25追記:カクヨム・アルファポリスにてWeb公開しましたので、カクヨムのリンクを追加しました。ごくごく一部の描写を削った以外は投稿時のままです)
【事後ふりかえり】
一次落ちでした。
その後別の有償講評者さん(プロ編集者だそうです)に見ていただいたところ、話のかなりの部分が回想で進み、主人公が受け身なのがよくない、とのご回答でした。
その際、他に出せそうな公募もいくつかご提示いただきましたので、話の運びについて全面的に見直し書き直してそちらに出そうと思って……
……いたのですが、今年については諸々忙しすぎて断念せざるをえませんでしたorz
再応募候補についても毎年やってる賞なので、来年にリトライを賭けます。
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