おまけの設定集1『宇宙の状況』

 流用できれば良いなぁと、跳躍点ちょうやくポイント利用で恒星間を渡る宇宙での設定をば。長いので覚悟してね。



宇宙に知的種族は溢れるほど存在し、宇宙は戦乱に満ち溢れ、資源を巡って、文化的宿命や娯楽としてお互い争っている。


 というか戦争を好まないor下手な種族はまず滅びる。

正確に言えば、自星系に跳躍点ちょうやくポイントがある種族限定ではありますが。


 全ての種族が数十、数百万光年を旅するために跳躍航法を使うが、跳躍点ちょうやくポイントを使用しなければ跳躍できないという原則がある。


 跳躍点はさほど大きくは無く出口と入り口が決まっている。


 跳躍後、数時間は人工知能などの超精密機械類は機能停止。

 生物も気絶、混乱するが、人工知能よりは多少短い時間で回復する。

 種によっては跳躍で即死。


 ゆえに、跳躍点ちょうやくポイントに要塞と艦隊を置いておけば、技術に遅れる種族でもなんとか防衛可能。百近い種族の加盟する超越種族連合は実は宇宙国家の中では技術的には後進的種族。


 このように、跳躍点ちょうやくポイントの縛りがある為、強力な種が他の殆どを滅ぼすような状況には至っていない。


 超越種族連合は元は穏やかな種であった白ネズミの種族、エスペラが、殲滅戦を仕掛けられ、次第に軍事国家化し、生き延びる為に軍事が文化の根幹になり、許容し合える種と連合を組み成立した宇宙軍事同盟である。


 白ネズミの種族であるエスペラは、超越種族連合の発起種族。

超越種族連合の文化や技術は彼らの影響が極めて大である。


 彼らは自らの産みだした超AIによる、自種族の隷属を経験している為に人工知能の開発と使用に著しく拒否感がある。

彼らは超AIの圧政に反旗を翻し超AIを破壊し、自主独立を勝ち取った。


超AIによる圧政は安穏と超AIの庇護の元、緩やかに衰退していたエスペラを奮起させる為に超AIが行った荒療治という学説も彼らの中にはあるが、真相は闇の中である。


 エスペラの自分の種への改変は限定的。かつ自制している数少ない種族の一つ。

 種によっては元の形や性質さえも変え存在しているものもある。


 エスペラは宇宙国家の中では寛容な種族に分類される。

 他種族を仲間にし、連合を組むことでそれは証明されている。


 多くの宇宙国家は、他種族は隷属or奴隷化、家畜化、もしくは殲滅などを選択する。

 多くの場合、殲滅を選択する場合が多い。理由は他種族は反乱の元であり、機械化の進んだ宇宙種族では敵性種族を存在させる意味が無いからである。


 本来寛容なはずの彼らエスペラが、自陣営の跳躍ポイント網内へ、弱小種族の生存を許さないのか。


 それは、数万年前の戦争で弱小種族イル・ベリウ敵陣営ガー・ヴーの軍の生産、補給基地となり、超越種族連合の跳躍ポイント網へ敵陣営が侵入、連合の多くの惑星が廃墟となり数京の知的生命の命と、多くの産業惑星が失われた時の教訓である。


 弱小種族イル・ベリウは平和的種族だったので超越種族連合と交流はあるものの、参加はしてなかった。エスペラは弱小種族イル・ベリウの主権を尊重していたため、跳躍ポイントへ要塞と艦隊を置いていた以外は彼らへの干渉は避けた。


 だが、数千年掛けて、一千光年を通常航行踏破した超越種族連合のガー・ヴー弱小種族イル・ベリウの惑星に密かに上陸、弱小種族イル・ベリウの生存を脅し、協力を取り付けることに成功し、弱小種族イル・ベリウの宇宙開発や工場建設と見せかけ、星系内の彼方此方へ多数の軍事工場を密かに構築することに成功した。


 数十年後、跳躍点ちょうやくポイント外、通常空間から突如現れたガー・ヴー大艦隊に超越種族連合の守備艦隊は全滅。ガー・ヴーは超越種族連合内の内部跳躍ポイント網へ侵入する手段を得た。


 跳躍ポイントは入れる場所、出る場所とが決まっており、弱小種族イル・ベリウ跳躍点ちょうやくポイントは連合内にしか繋がらないタイプで、当然守備の薄い場所が多く被害は洒落にならないものになった。


 連合の外へつながる跳躍点ちょうやくポイントと連合内へしか繋がらない跳躍ポイントのある重要拠点も両方から出現するガー・ヴーに一気に攻められ幾つか陥落した。


 ちなみにその弱小種族イル・ベリウは脅して来た種族ガー・ヴーの食卓に上がり文字通り喰われ、消滅した。

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