第21話 大団円とまでは行かないけれど、みんな気合入ったよ!

 世界一になった後、アリナちゃんを乗せて、言われるまま、アリナちゃんの国へ飛んだ。


沢山飛んで来たミサイルも大砲も美崎ちゃんの機体デコイには全く効果ない。


美崎ちゃんはミサイルや砲弾を剣槍(コロニー用建材だよ)で切り裂いて破壊して遊んでたりしたくらい。


びっくりだよ。


で、向こうの偉い人の上に浮かんだら、速攻アリナちゃんの日本移住をおkしてくれた。 


 これが勝てば官軍って奴なのかな! 要求が通るんだね。


「アリナ、綾から離れて」


「……私は怪我してるから癒しが居る。綾はあったかくて柔らかくて気持ちいい。とてもとても気持ちいい」


アリナちゃんは座席でべったりとわたしにくっ付いてる。苦しんでるアリナちゃんを抱きしめて歌を歌って上げたら懐かれちゃた。


美崎ちゃんとアリナちゃんはバチバチ目線を合わせながらなんかずっと喧嘩してる。喧嘩するほど仲が良いって言うから、もう仲良しになったのかな。




小学校の頃の美崎ちゃんもこんな感じだったなぁ。


 ちなみに美崎ちゃんはミニチュアサイズのままだ。戻すには貰った技術が足りないらしい。


 アリナちゃんは近所にある親類のアパートの空き部屋に住むことになりました。ご飯はわたしが当分作ってあげるね。


 宇宙の画面に映った異星の女の子達。


 わたし達は彼女達と戦い勝利しなくちゃならない。


白ネズミさんによると、政府達も知っていて黙っていたようだ。大国以外は法螺と思ってたようだけど。


「地球どっかーんは嫌だよね! どっかーんは!」


喧嘩してる二人は可愛いけれど、そんなことより、こっちが大事だよね。


二人は喧嘩を止めてわたしを見る。


「ん」


美崎ちゃんは真面目な顔。


「……どっちでも良いわ。そんなの」


アリナちゃんは、プイッと顔を横に向ける。


酷い目にあってたみたいだから厳しい意見だけど、本気じゃないって信じてるよ!


重苦しい雰囲気になる操縦席コックピット内。


 あ!


 わたしはぴっかーんと閃いた!


「勝てば官軍!」


「ん?」


「勝てば白ネズミさんたちに負けた種族を滅ぼすのを止めさせる交渉が出来るかもしれない!」


 目を丸くする美崎ちゃんとアリナちゃん。


「ん、ハッキングであの変態ネズミを調べた。結構な力がある家で、あいつ自身、影響力もある。僅かな可能性だけど可能かもしれない」


「……ハッキング? マジ?」


 あのアリナちゃんが少し驚いた顔してる。異星人のシステムへのはっきんぐって凄いことなんだ。さすがだね美崎ちゃん。


「変態ネズミさん、そんな大物だったんだ?」


「ん、超大物」


操縦席コックピット内の空気がぐっと軽くなったよ。


 皆が、何かやる気になった気がする。勝っても負けた種族が滅亡とか嫌だもんね。


 美崎ちゃんが頬を叩いて気合を入れる。


 美崎ちゃんは、少し考えた後、わたしにおねだりして来た。


「綾、わたしは勝つ! 勝ったらお願い聞いて欲しい」


 ちょと頬が赤い美崎ちゃん。気合入ってるなぁ。お願いかぁ、そんなもので良いなら。


「うん! 良いよ、何でも聞くよ!」


「ん! 言質は取った!」


美崎ちゃんは物凄い勢いで、スマホで結婚式場とベビー用品を調べ始める。


 ミニチュアサイズでスマホ叩いてるから超可愛い。


「……彼らの技術なら、子供は作れる」


 アリナちゃんがボソっと何か言ってる。


わたしを見て自分のお腹をさすっている。お腹痛いのかな? 


 美崎ちゃんは、クールで男の子になんか興味ないって感じだったけど。良かった。居たんだね、好きな人男の子! 判ってるよ! 応援してほしいんだね。


 うん、応援するよ、美崎ちゃん!


 そして、頑張ろうね!


 異星人達もわたし達も救うんだ! うおー!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る