第14話 カスタム組の女の子達と挨拶! お友達になろうね。
「お姉ちゃん、頑張ってー」
「頑張って美崎ちゃんを応援するのよー!」
「
家族みんなの応援を背にわたしは機体のコックピットへ乗り込んだ。
機体には操縦席が二つ、上に美崎ちゃん、下斜めがわたしの席。
ちょっとびっくり。
「最初から、わたし乗る予定だったのかー」
「ん」
どんだけわたしに応援して欲しかったんだろ、美崎ちゃん。
まぁ良いけどね! 頑張って応援するよ! えいえいおー!
VRの時とほぼ同じだけど、頭に少し大きめの半透明のヘルメットを装着するのが少し違う。
「ん、脳波操縦」
上に座る美崎ちゃんが何かすると、一気に視界が開けたよ。
「わぁ。自分が巨人になったみたい」
「ん、今は私が動かす。機体と感覚がリンクしてるから操縦は必要ない。体を動かすのと同じ」
「ん、行く、綾」
「おっけーだよ!」
機体はグンと上昇を始めた。
「家が、街がどんどん小さくなってくよ、凄いね!」
「ん」
この機体には頭が付いてるけど、視界には関係ないみたいであちこち見回せる。
あっという間に雲の上、綺麗と眺める前に、あっという間に宇宙だよ!
「うわー、地球ってあんな綺麗なんだねー」
「ん」
「あ、もうみんな集まってる」
光りの点が見える。うーんと目を凝らすとテンプレ宇宙艦や戦闘機、ロボット型が沢山居た。
百九十六カ国、百九十六機。うーん壮観だね。
「ん、貰った情報では戦闘区域は一万キロの円状。その中には異星人の宇宙艦も入ってる」
「宇宙艦? あ、お空の赤い薔薇だね。でも戦闘に巻き込まれたら危ないんじゃない」
「ん、傷一つ付かないと思う、供与された技術と武器は彼らにとって玩具みたいなもの」
「うおー、凄いね、良くわかるね」
「設計の時、情報は色々アクセス出来た」
「だから、一週間ずっと調べてたんだね」
「ん、寝ずに調べた。情報量は他の三人のカスタマイズ組にも勝ってるはず」
「そうなんだ、凄いね……って、一週間寝なかったの!」
「ん、古武術の奥義。教わった時、忍者とかが忍び込んで情報得るときの技だって爺ちゃんが言ってた」
「へーそうなんだー」
「いやー、素晴らしい! 何もかも素晴らしい! 美崎さん! 戦士としての素養も超一流ですね!」
コクピットの中に白ネズミさんの声が響き渡る。
美崎ちゃんが何か操作した気配。
「駄目ですよー、私の通話は消せません。あ、でも他の三人への通話は一分なら消せますよ作戦もあるでしょうしね」
「四人のみ相互通話なのですよ。特別ですよ。母星で放送されてますよ」
白ネズミさんのアイコンが横に小さく表示されるとともに、その下に女の子の顔のアイコンが三つ表示された。
「なんだ、カスタム組四人は通話可能なのかよ! エグいな!」
大声とともに画面の隅に通話映像枠があり米国代表の女の子の顔が。
「あ、名前も表示されてるね」
名前、エミリー。フォーワードっていうんだ。
「え、え、通話可能アルか」
可愛い中国人の女の子は
「……」
喋らないロシアの女の子はアリナ スミノフ 四A七〇〇八SSS
名前の後ろに番号が付いてるよ! マイナンバーかなぁ。
「あ、私、綾って言います。よろしくお願いします。ほら、美崎ちゃんも挨拶!」
「ん、必要ない。名前出てる」
「日本はパイロットじゃないのも乗って居るのか? そういえばロシアにも居たなぁ。カミカゼ要員か!」
「お、恐ろしいアル」
「……」
「え、わたしの名前は綾、カミカゼじゃないよ! 美崎ちゃんの応援団で乗ってるよ! でも何でみんな日本語喋れるの?」
「おぅ、微妙に話しが通じてねぇ!」
「天然物アル。でも癒されますアル」
「……」
「なんかわたし馬鹿にされてる? 美崎ちゃん」
「ん。褒めてると思う。綾は凄い」
「翻訳してるしてるんですよぉ! 我々が!」
白ネズミさんが自慢してきた。
「さてと、お遊びはこれまで、私もお仕事ですよー」
画面の中央にでかでかと白ネズミさんが華やかな背景とともに表示された。
さあ、始まるよ、世界一決定戦が!
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