第4話 美崎ちゃんのお姉ちゃん(自称)! それが私!
……まさか!
まさか帰宅する時もキノコのように多数の半透明の画面浮かせたままだとは思わなかったよ美崎ちゃん! ずっと調べてる感じ。それは楽しそうに!
美崎ちゃんの家は古い日本家屋に古武術の道場、危ないからそこまで手を取って送ってしまった。これ、送り狼って奴になるのかな。
翌日、登校する時、心配になって少し遠回り。
美崎ちゃんの家に行ったら、やはり画面を顔の廻りに浮かせた状態で家から出るところだった。
「一旦止めるとかできないの?」
バスの中で聞いてみた。
「ん、駄目、六日後のVRで戦う機体を設計終わらせないと終了できない」
「うんうん、美崎ちゃんはまだまだやる気だね」
わたしは無理に止める気はない。
美崎ちゃんは凄いから、思考が少し違う場所にあるからね。止めるなんてとんでもない!
でも最大の理由は美崎ちゃんが此処まで熱中してるの見るの初めてだから止めたくないんだよねー。
バスの他の客はまだ、それやってるのかと奇異な目で見てる。
美崎ちゃんは全く気にする様子もない。
わたしはちょと恥ずかしいけど。
あの画面はあの時間、日本で一斉に出たそうだ。
中学生以上は全員。
会社とかにも事前に通告あったみたいで、パパとママも一時休業の中、画面出たって言っていた。
政府も良く判らないことやるわねと言って
どうやって画面を消すのかとプチパニックだったらしい。
ちなみにあの後、世界中が通信も不通になってた。
「昨日は世界中が通信出来なかったらしいよ」
「ん、画面の情報が洩れたら時差の遅い方が有利だから当然」
「美崎ちゃんみたいな画面の出しっ放しは?」
「ん、そもそも殆ど居ないと思う。むしろこれをする人の選別が狙いかも」
なんか美崎ちゃんが難しいことを言い始めた。
この会話中も美崎ちゃんの沢山の画面に色々な情報が流れてる。
見たことない文字がある気がするのは気のせいだよね。
画面には、最初に画面上にあった飛行機や宇宙船のアイコンなんか全くない。
びっくりだよ!
さて、授業中な訳だけども、国語の
美崎ちゃんが画面を浮かせたまま、そっちに集中してるからだ。
注意すべく突貫してくる
そうすると
『設計中の人への邪魔は禁止です。従わない場合は無力化されます』
可愛い白ネズミさんのバッテンアイコン付きだ。可愛いけどなんか怖いかも。
「はい、あーん」
屋上で美崎ちゃんにお弁当を食べさせてあげている。
最初は教室で自分で食べてたけど、画面に集中しすぎてボロボロこぼしてたからね。
「美崎ちゃん、赤ちゃん世話してるみたいだよ」
「ん、ならもっと可愛がって」
美崎ちゃんは両親は海外でお爺さんに育てられたせいか甘えん坊でもある。
「はいはい。じゃいつものね。」
わたしは美崎ちゃんの後ろへ廻り込んで頭を抱こうとしたら
真っ赤な×の画面と警告音が!
美崎ちゃんが、ちらりと×の画面を見る。
うおっ!なんか怖い目だよぉ!
と美崎ちゃんは何かしら画面を沢山展開し打ち込み始めたらわたしの前の×が消えた。
「ん、もう大丈夫、いつものお願い」
「おっけー」
わたしは後ろから彼女の頭を軽く抱きしめながら軽く歌うのである。
小学校の頃、両親が海外で寂しくて泣いてた美崎ちゃんをこうやって昔から慰めてたのだ。
わたしは美崎ちゃんの親友兼、お姉ちゃん! それがわたしの認識。同じ年だけどね。
超絶音痴なわたしの歌声に美崎ちゃんは耳を傾けていた。ボエ~。
……と、まぁこれが一週間、一週間だよ!
続いた訳だ!
さすがのわたしもちょと疲れました。
最後の方は、美崎ちゃんも厳しい表情が増えてたね。
美崎ちゃんのお爺ちゃんから済まないねぇとお小遣い貰った。
ちょと得しちゃた。大変だったし貰っても良いよね?
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