第3話 異星人? な白いネズミさんからのプレゼント。

画面にいきなりファンファーレとともに可愛らしい二本脚で立っている白いネズミさんが現れた。


 みんな驚いて静まり返る。


「ぱんぱかぱーん! 地球の皆様! 我々からのプレゼントと、ゲームの始まり始まりでーす!」


 と言って可愛らしくポーズをとる。


「宇宙の我々から、あなた方へ技術とゲームをプレゼント! 凄いでしょ! 凄いよね! 楽しんでくださいねー!」


 そう言うとくるりと一回転して花火の画面とともに画面から退場した。


 皆はいきなりの展開にびっくり。わたしもびっくりだよ。


 あの白ネズミさんが宇宙人なのかな。まさかね。


「指示に従って、ゲームを開始してねー」


 そんな音声とともに目の前の画面に四角いフキダシと可愛らしい白ネズミのアイコンが現れた。ちょと可愛い。


「一万ポイント使って、地球のみんなで対戦ゲームをしよう!面白いよ!」


 さっきの異星人?……の白ネズミさんの声だ。


「各国で一番の人同士が最終的に対戦だ!国家の代表同士の対戦、盛り上がるよー!」


 同じことがフキダシの中にも書いてある。


 画面の中には飛行機や、宇宙船。戦車にぬいぐるみ。


……え? ぬいぐるみ?


 とにかく色んなアイコンが表示された。


 機首や翼に武器っぽい何かを付けられる感じになっている。

 結構細かい。頭がくらくらするよー。


「この中で貴方の作った機械! それで一週間後VR仮想現実対戦して日本一を決めまーす。決まったら何と勝者にをプレゼント!太っ腹だね

 凄いの待ってるよーーー!」


 やたらフレンドリーな説明書きと声とともに、白ネズミのアイコンが親指を立てる。


「何だよこれ異星人とかわけわからん。TVの悪戯番組なのか?」


 クラスの皆はやっぱり異星人って所は全く信じられないみたい。ほぼみんなそんな感じだね。


「何だこれ、ゲームみたいじゃん!」


 洋ゲー好きを自称する杉田君が興奮している。


 隣で、超々興奮している美崎ちゃん程の興奮では無いけどね。


「お、何だ面白そうじゃん」


「つまんねーよ、誰か早く消せる方法見つけろよ」


 男子は面白がってるの半分、面倒臭くなってるの半分だね。


「何これ良くわかんない。つまんない!」


 ちょと髪を染めてる恵子ちゃんは怒ってる。女子は普通こういうの興味ないもん。

 良くわかるよ。


 ちなみにわたしもつまんない。どうやって終わらせるんだろ。


 横を見ると美崎ちゃんを廻りに増殖していた画面が更に増えていた。

 視界の廻りを覆い、画面のキノコだよ。キノコ。


 他のクラスメイトも気づいてどん引き。


 美崎ちゃん。説明の前から弄ってたし、何すればよいか理解して、色々始めてるみたい。


 美崎ちゃんが頭が良いのは皆知ってる。先生も知ってる。人付き合いがちょと苦手なのもね。


「ねぇ、美崎、これどうやったら終わらせられるの?」


 コミュ力女王の恵子が聞くが、美崎ちゃんは答えない。


 クールビューティ美崎ちゃんは孤高なのだ。と言いたいけど、コミュ障気味なのだ。


 「今集中してるから雑音は駄目よ。上手く聞かないと返事しないってば」


 恵子は、えーという表情。


「聞き方が悪いの、みてて」


 小声で恵子に言うと、わたしはそーっと美崎ちゃんの後ろへ廻り込み、簡単に答えられるように質問する。


「どうすればこれ終わらせられるー?」


 作業が少し止まったタイミングで、小声で邪魔にならないように聞くのがコツなのだ。


「ん、ポイントを使い切れば終わる」


 美崎ちゃんが、画面で飛行機のアイコン選んで武器っぽいのを機首やその他を取り付けると画面右上のポイントが消費され、一万を越えると終わらせますかのアイコンが出た。


「おー凄いね。さすが美崎ちゃん」


 わたしはこの事を皆に伝えると皆大喜び。


「シー、シー」


 美崎ちゃんの集中を途切らせないようにみんなに静かにするよう呼びかける。



 皆は美崎ちゃんの邪魔にならないよう静かに喜び、とっとと終わら始めた。

 わたしもクマさんのぬいぐるみに適当にポイント高いの選んで終わらせた。


 ……放課後、皆が帰った後も美崎ちゃんはそれは楽しそうに謎の画面に向かっていた。勿論わたしもつきあうけどね。何時も途中まで一緒に帰ってるし。

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