第2話 お空の薔薇は異星人の宇宙船らしいよ。美崎ちゃん正解!凄いね!


「落ち着いて! これは三ヶ月前に空に現れた、薔薇の舟の異星の方からのプレゼントです! 世界中の政府と三ヶ月前から我々を驚かせないよう極秘に接触していたそうです」


 先生豚魚雷が甲高い声で生徒達に教えてくれた。


「え、どゆこと」


「やっぱりあの薔薇は宇宙船で異星人が来たってことだよ」


「ニュースでも無視してたし、本当なの?米国の広告って話しは?」


 皆はパニックというより半信半疑。


 わたしも美崎ちゃんが異星人って言わなければ信じてないよ。


「み、皆さん、落ち着いて、落ち着いて画面の指示に従いましょう!」


 先生豚魚雷が上ずった声で指示。


 わたしの目の前に浮かび上がった画面は一つ。半透明のアイコン付きのPCの画面みたいな感じ?


 と、妙な動きを感じて横を見ると、美崎ちゃんの廻りには数十個の画面が!


「っと、美崎ちゃん!皆の目の前の半透明の板は一個なのに!」


「ん、大丈夫。私が表示させただけ」


 美崎ちゃんは超々集中し、綺麗な目は沢山浮かぶ画面の中身を物凄い速度で追っている!


 興奮して楽しそうにしてる美崎ちゃん。こんなの初めてみたよ。


 何でも出来るから割と達観したところあるんだよね、美崎ちゃん。


 白い首や顔が興奮で朱を差したようになって綺麗……じゃない!


「美崎ちゃ~ん」


 後ろへ廻って彼女の画面を見ると、物凄い数の数式にグラフ、論文らしき多数の文章が物凄い速度で表示され流れていく。


 指の前にキーボードらしきものが浮かび、美崎ちゃんが音速の如き速さで動きで打ち込み小さな声で何かを指示するように呟いている。


 指の前にキーボード? はて?


 わたしも自分の手を見る。


「や、何これ!」


 両手の前にキーボードらしき半透明の板が!


 わたしが驚いて手を見たのを見た、クラスの子が自分の手の前にある半透明のキーボードらしきものに驚き悲鳴を上げた。


「何これ、消せないじゃん。嫌あああ!」


 クラスの子が必死で手を振るがそんなことでは消えないみたい。


「ほんとだ、何これ、やだーーー!」


 喧騒に包まれる教室、他の教室からも、大声で悲鳴が聞こえて来た。


 どうしよう……と美崎ちゃんに聞こうとしたが、絶賛集中してるよ。

 邪魔するのも悪いなぁ。


「美崎ちゃんが気にしてないなら大丈夫なはず。うん、大丈夫」


 廻りの子にそんな感じで言うと、次第に皆が落ち着いて来た。


 美崎ちゃんの優秀さは皆が知っている。有名人だもん。


 わたし達は少し安心して自分の席に座った。

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