君はロックすら聞かない その2

亜太郎の家、2人でトップガンを見た昼下がりの日曜日より。


亜「いい映画でしたね」


景「だろ? 5本指に入るって程じゃないけど、私の好きな映画だよ」


亜「……父はいつもデンジャーゾーンを聞いていました。きっとこの映画が好きだったんでしょうね」


景「だと思うよ」


亜「……」


景「……」


亜「それにしても、食わず嫌いって思ったいないですね! もっと早く見るべきでしたよ」


景「その通りだ。だから食わず嫌いせずに私の薬も飲むべきだと思う」


亜「ははは、ところで」


景「冗談じゃないんだけど! 流さないでもろて!」


亜「洋楽のロックバンドのCD持ってきてくれました? 部長のおすすめのやつ」


景「ああ、持ってきたよ」


亜「『サージェント・ペパーズ・ロンリハーツ・クラブバンド』長い名前ですね……なんのバンドのやつなんですか?」


景「……もしかしてサージェント・ペパーズ知らない? ていうかビートルズも知らない?」


亜「あ、ビートルズの曲なんですね。レットイットビーとオブラディオブラダしか知らないです」


景「そのレベルかぁ……まあ古いしなぁ……」


亜「とにかく聞きましょうよ」


景「そうだね」



亜「なんか不思議な感じの曲ですね」


景「こういうロックをサイケデリックロックって言うんだよ」


亜「へえ、かっこいい。なんか由来があるんですか?」


景「麻薬を打った時に感じる幻想的な空間をロックにしたものだね」


亜「麻薬!? 大丈夫なんすかこれ!?」


景「あはは、大丈夫だよ」


亜「麻薬とか付いてませんよね?」


景「ついてないから、大丈夫だから」


亜「部長麻薬やってませんよね?」


景「やってないよ」


亜「ええ!?!?!?」


景「……なんでそこで1番驚くの?」

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