日常編
君はロックすら聞かない
(日常編の扱いに関しましては、あらすじをご覧下さい)
●
9月中旬、付き合ったばかりの帰り道より。
亜「部長、この前流してた曲ってなんでしたっけ?」
景「斉藤和義のやさしくなりたいって曲だけど……もしかして聞いたこと無かった?」
亜「はい、知らない曲でしたね」
景「ぇぇえええ!? めちゃくちゃ有名な曲だよ? たしかにちょっと古いけどさ」
亜「うーん、僕あんま音楽聴かないんすよねー。あれがロックってやつですか?」
景「まあ、そうだね言うところの邦ロックだね。どう? 良かった?」
亜「結構いい曲だったと思います」
景「だろだろ、またおすすめの音楽聴かせてやるから、喜んで沼れ」
亜「ははは、ありがとうございます」
景「ところで、君からはオススメの曲とかないのか?」
亜「え?」
景「いくら音楽を聞かないって言っても、1曲も聞いた事無いわけじゃないだろ?」
亜「うーん、そうっすね。強いて言うならケニー・ロギンスのデンジャーゾーンは歌詞も全部覚えてます」
景「おおおお、随分渋いのが出てきたな。トップガン好きなの?」
亜「いや、見たことないですけど……父が好きでよく聞いてたんです。きっと父は好きなんでしょうね」
景「私も好きだよ、トップガン」
亜「そうなんですか」
景「DVDあるからさ、今度君ん家で一緒に見ようよ」
亜「……ごめんなさい。あの映画だけはどうしても」
景「? もしかして嫌いなの?」
亜「いや、そういう訳じゃないんですけど、あの映画、見たことは無いんですけど。戦闘機に乗ったパイロットが死ぬシーンあるってのは知ってるんです。なんて言うか、飛行機の恐ろしさ恐ろしさみたいなのを描いていそうで、ちょっと怖いなって」
景「……そっか」
亜「そうなんですよ……すいません」
景「やっぱり一緒に見ようか」
亜「なんで!?」
景「あれは戦闘機の恐ろしさを描いてる映画じゃないよ。戦闘機の恐ろしさを乗り越える勇気描いた映画なんだ。だから、君こそ見るべきだと思う。
大丈夫、ひとりじゃないから、私も一緒に見るから」
亜「……たしかに、そうかもしれませんね。食わず嫌いは良くないですね」
景「そそ、代わりに私の嫌いな映画も持ってくるから、今度の金曜は泊まりがけで映画見よう」
亜「いや、部長の嫌いな映画はいいですよ」
景「あ、そう? じゃあ代わりにロックバンドのCD持っていくよ。今度は洋楽の」
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