耳を疑った。

「いえそんなはずはありません！

あれは私の父親です！」

父親を見間違えるわけがないと説明をしたが、刑事は冷静な様子で話し始めた。

「あなたのお父さんは、10年前の火事で全身に火傷を負い意識不明の重体ではありましたが、1ヶ月後に意識を取り戻したんです。

そして、、

顔を変えたんです」

「、、えっ、顔を、、変えた、、」

理解ができずに動揺する僕を置いて、刑事は話し続けた。

「同じ病院に運ばれた救急隊の男性と、顔を取り替えたんです。

2人は同じ病院に運ばれました。

そこはお父さんが勤務している病院で、意識が戻り警察から逃げようと考えた彼は、男性と顔を変えるように手術しろと後輩の医師に指示をしました。

男性の方はかなり重篤な状態で、一生意識を取り戻さないと診断されていましたし、2人は火事によって顔も酷くただれていて、包帯で顔は分からない状態だったので、

周囲に気づかれないように顔を変える事はそう難しくはなかったと、後輩の医師は証言しています。

それが先日、顔を変えられた男性が突然意識を取り戻しました。だが看護師によると、彼は記憶喪失になっておりパニックを起こした様子だったとのことです。

恐らく、自分のこともよく分からない状況にパニックになって病院から逃げ出したと思われます。」

「、、待ってくれ、じゃあ僕が火をつけた倉庫にいたのは、、」

「10年前、あなたを助けた男性です。

顔はお父さんですが、中身は別人だったということです。」

そんな

そんなことが、、

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