接触
僕はこの知らせを聞いて、チャンスだと思った。
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今しかない
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警察より先に見つけ出して、この手で
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復讐する
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僕は急いで家を飛び出し
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父さんが行きそうな場所を思い出しながら必死に走り回ったが
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家族でよく行った公園もファミレスも
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どこを探しても父親は見つからなかった。
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こんなにすぐに見つかるところにいるわけないか。
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警察から逃げるために病室から抜け出したんだ。
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もっと見つからない場所に逃げているはずだ。
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だが、どこへ逃げているかなんて検討がつかない。
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警察より先に見つけるなんて、無謀か、、
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諦めかけていたその時
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僕は公園のベンチに座っている男性を二度見した。
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容姿は少し変わっていたが
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あの姿は、間違いなく
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僕の父さんだ
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一目散に父さんの元へ駆け寄った。
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父さんは、僕を見つけるなり、怯えた表情をして走って逃げた。
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今見失ったらもう会えない気がした。
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無我夢中で追いかけた。
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父さんは使われていない倉庫に逃げ込みドアを閉めて鍵をかけた。
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「父さん!!父さん!!!」
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ドアを勢いよく叩く。
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「ドアを開けろ!!父さん!!」
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よくも
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よくも僕たち家族を
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よくも母さんを
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しばらくドアを叩いて父さんを呼んだが
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父さんは、ドアを開ける気はないようだ。
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気がついたら僕は、そこに転がっていたかすかにガソリンの入った容器を、窓から投げ入れていた。
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