火事の真実
その真実は到底、信じられるものではなかった。
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だが、調べれば調べる程あの人が犯人だという証拠が沢山見つかった。
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認めざるを得なかった。
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犯人は
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僕の父親だった。
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当時医者であった父は、病院の看護師と不倫をしており、
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不倫相手から子供ができたと結婚を迫まられ、
口論の末にその看護師を殺害してしまった。
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逃げられないと思った父は僕たち家族を巻き込み一家心中しようと考えたらしい。
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あの父に限ってそんな事あるはずないと
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初めはもちろんそう思った。
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真実を確かめようと知り合いの刑事に協力してもらい
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警察内部の捜査資料を見つけてもらったところ、父が犯人で間違いないとのことだった。
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警察は、真実を知っていたのだ。
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しかし、犯人である父が植物状態であり逃亡の恐れがないことと
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唯一生き残った僕の精神的ダメージが大きすぎるとの判断から
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父が犯人である事をあえて隠していたのだ。
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辿り着いた真実に、僕はどうしていいのか分からなくなった。
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犯人を見つけたら復讐する
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そう決めていた僕は、犯人が実の父親だったこと、その父親は今は意識がないことから
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どこにこの気持ちをぶつけて良いのか分からなかった。
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そんな気持ちのまま、3ヶ月が経った頃
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朝起きて顔を洗っている時だった。
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携帯が鳴った。
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捜査に協力してくれた知り合いの刑事からだった。
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「お父さんの意識が戻った、
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だがあの人、病院から逃げ出したんだ、今警察が全力でお父さんを探している
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見つけたらまた連絡する」
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用件だけが早口で伝えられて、すぐに電話は切られた。
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父さんが目を覚ました。
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