復讐のための10年間
「そうか、まだ犯人は捕まっていないんだね、、私もあの事件の事は詳しくは聞いていないんだよ、、役に立てず申し訳ない。」
.
.
.
.
男性は静かにそう言った。
.
.
.
.
.
当時の事件については何も知らないようだった。
.
.
.
.
.
「あの、僕はあなたにずっとお礼がしたいと思っていました。
.
.
.
.
あの炎の中、助けに来てくれたのはあなただけです。
.
.
.
母親は死んで、父親と弟は10年経った今でも植物状態ですが、懸命に生きようとしています。
.
.
.
いつか必ず目を覚ますと信じています。
.
.
.
今日あなたの命を救う事が出来て、消防士になって良かったです。」
.
.
.
.
.
.
僕の思いを告げると、男性は複雑そうな顔をして頷いた。
.
.
.
.
.
.
.
無事に検査が終わり、僕と男性は同じ日に退院した。
.
.
.
.
.
.
.
「それでは、お気をつけて」
.
.
.
.
.
.
男性に別れを告げて、病院を去った。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
我が家が放火されてから10年
.
.
.
.
.
.
.
.
.
僕はこの10年間、犯人を捕まえるために1人で事件の調査を進めていた。警察に任せていても犯人は見つからない。
.
.
.
.
.
.
.
当時を知る救急隊の男性に再会して、手掛かりが掴めるかもしれないと思ったが、有力な情報は得られなかった。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
僕の家庭を壊した奴は、必ず僕が見つけ出す。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
見つけ出して
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
復讐してやる
.
.
.
.
.
.
.
.
.
この10年間、そんな思いを秘めていた。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
----------
.
.
.
.
.
.
.
.
.
退院してから半年後
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
僕は唐突に、犯人を知ることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます