二話 ストレス性胃腸炎


 何とも言えない浮遊感が支配する場所にいた。

 小さな光が見える、小さな魂は一心にその場所に向かって手を伸ばす。

 

 すると、光が光量をましすべてを呑み込んだ。


 気がつくと我は草の上に寝転んでいた。


 意識が朦朧とする。

 

 それをかき消す様に暖かな陽の光が雲の隙間から燦々と地上を包み込む、そよ風が辺りの木の葉を優しく撫でサワサワと音を立てる。


「なんだ?」

 

 木の葉と木の葉の隙間から見える空には飛竜とよく似た生物が飛んでいた……


 「何処だここ?」

 

 先ほどまで自分は魔王城の最奥にいたはずだ。

 それがいつの間にか森の中に一人ぼっちだ。

 一度深呼吸し、状況を整理しよう。

 

 まずはここがどこかと言う疑問だがこのあたりを見回すと前方方向は一面森林だった。


 「《千里眼千里眼》」


 探知系魔法の一つである《千里眼千里眼》を発動させ再度周りを見渡してみたが人の気配はおろか生物の気配も感じられない。

 

 敵による強制転移?いやありえない。     

 対象の転移は対象の同意か相手より格上のレベルがないと発動はできない。

 しかも、我は魔王だ、この世界で最強のステータスを持つ。

 となると『管理者』が作った世界の法則に何らかの不祥事が起きたとでも言うのか?


 いろんな仮説が浮かぶがいつまで考えていても埒があかない。

 早く魔王城に帰り次にやってくる勇者について対策を立てねば。


 あの僧侶の方がバエルより悪知恵が働く。     

 しかし、バエルは魔王の座を知恵ではなく圧倒的な力でのみによって魔王の座を手に入れたのだ。


 純粋な力だけで手に入れたのだ。

 なので知恵を働かせるのはあまり得意ではないのだ。


 

 かなり癪だがあの僧侶のところに助言をもらいに行った方がいいのだろう。


 とは言え、僧侶がバエルと同じ時期に生まれた存在でなくて本当に良かったとバエルはホッと胸を撫で下ろす。

もし同じ時期に生まれていたら、魔王になっていたのはあの女だったかも知れん。


 一通り考えがまとまったところで魔法を発動させる。


 「転移門ワープゲート


………あれ?魔法が発動しない?念の為再度魔法を使う


 「転移門ワープゲート!」


 シーン


 やはり何も起こらない。


 またありえない事が起きた。


 MP切れ?


 いや、この感じは昔調子に乗って出来もしない魔法を唱えた感じに似ている。

 魔法を構築しようとしても途中で霧のように構築が消えてしい、魔法が発動しなくなるのだ。


 「絶対にあり得ない」


 《転移門ワープゲート》は魔王になった時に魔王専用魔法として得た数ある魔法の中のうちのひとつであり魔王だけが使える他を圧倒する魔法なのだ。


 その時、我の中にある疑問が生まれた。

 しかし、この仮説は自分の存在自体を疑わなければならない、震える指に魔力を込める。


 使う魔法は我を魔王の座まで登り詰めさせた魔法。

 なぜだかこの魔法は使える気がする…


 「《審判ジャッジメント》」


我は今まで感じたことのない感情、絶望に支配された



バエル=オルゾビュート・デメキシス

Lv99 種族 龍種   職業 破損

HP 69036 MP 5220 STR 6091  INT6200 DEF 4054 AGI 5859

スキル一覧

破損 破損 破損 破損 破損 破損 破損 裁ク者(封印) 破損 …

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称号一覧

破損 破損 破損 破損 

断罪者(封印) 破損 破損 破損…

全員称号表示↑




用語説明

HP=体力 MP=魔力量 

STR=物理攻撃力 INT=魔法攻撃力 

DEF=防御力 AGI=素早さ



 この小説では魔法は《》、スキルは【】を使っています。

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