三話 頭痛もしてきた

 何だこれは、一体どうなっている!


 「クソがっ!!」


 何だこれは破損なんて聞いたことないぞ!

 それにステータスまでおかしい元は全て9999であり、HPも99999であった。


 なのに何度みてもありえないくらいに減っているではないか。

 それにスキルや称号に関しても全て破損となっているではないか!!


 種族にしてもそうだ!

 本来なら種族は魔王となっているはずなのに捨てたはずの龍型怪獣種に変化している。


 魔王になった時に龍の名を捨てて、魔王になった。

 そして過去の因縁で龍の里を滅ぼし、この世から龍を絶滅させた、そして『龍を捨てた者』の称号特典で種族が龍になることは絶対に無いはずだが……


 「ああっ、どうしたら」


 何とかいい面も探さなければ、そうだ!!

 今のステータスでも我より高いステータスのものはこの世界にいない…

 よしっ!何とか一つ見つけられたぞ!

 最悪一国が大挙して押し寄せてきても何とか退けることはできるだろう。


 よしっ、なら早速城に戻ろう!

 はぁ…さっきから感情の起伏がありすぎて疲れるな…

 それにしてもどこだ?


 ここはもう一度|審判《ジャッジメント》を発動するか。


 「審判ジャッジメント


対象は自分からこの世界を、魔法の解析が出るまでは少し時間がかかる。   

 その間に今までのことを思い出す。

 

 今までで1番役に立った魔法は?と聞かれたら《審判ジャッジメント》と即答できる自信がある。


 この魔法は我が生まれた時から気づいたらあった。

 話は変わるが、まだ世界が『管理者』によって創られてすぐに第一期生の生命体の中に我と同じ龍型怪獣種ー略して龍種

 (後の最長老)も混じっていた。


 右も左も分からない時に『管理者』から全ての生命体にメッセージが送られたらしい。

 要約すると



 『この世界は私たち神によって創られた。

 君たちは記念すべき最初の生命体だ。


 これから生息数を増やすために5年間の殺生を禁ずる。

 5年経ったら殺生を解禁するが、その時のためステータスとスキルという概念、一般的な生活知識をインストールする』



 と言った内容であった……らしい。

 こんな事が起これば地上は大パニックだ。


 しかし、不思議なことにすんなりと受け入れる事ができた。


 今でも最初の記憶はなぜだか思い出せないらしい。


 (ボケているという説も捨て切れないが)


 おそらく『管理者』が手を加えたのだろう。

 最長老のやつが言ったことは大抵が真実であったと後に立証されたが、この話だけは信じられなかった。


 我も魔王になり、勇者を監視している時に出てきた断片的な情報と繋ぎ合わせて出た確信であった。


 この確信を持ってしても信じられないくらいだから。


 最初にこの世界は我らの世界で信じられてきた神とは全く違った神によって創られたことを知るきっかけとなったのも《審判ジャッジメント》のおかげだ。


 この魔法にはひっっじょうにお世話になった。


 効果は単純に対象のステータスやこれまでの経歴のような物が見れると言った魔法である。


 小さな頃は知らず知らずに鑑定を掛けまくって遊んでいたが後にこの魔法の凄さを実感することになった。


 それは先ほども言ったが対象を鑑定する事である。

 それもレベルや魔法抵抗力、鑑定を妨げるスキルを持っていてもお構いなしに。


 《審判ジャッジメント》は鑑定系魔法に分類されるが、他の鑑定系魔法は相手によっては抵抗レジストされるのだ。


 まさに唯一無二の《ちーと魔法》と言えよう。

 そうこう思い返している内に鑑定が終了した。


 とっとと現在地をみて城に帰らねば…

しかし我はこの日二度目の絶叫をあげることになる




鑑定結果

ワールド名 メルトルシア

現在地 トールングの森(境目)

備考

 魔王システムが唯一存在しない世界。

 現在◼️◼️によって維持されている。



      難易度『ヘル』

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